アブストラクト
| Title | せん妄に対する薬物的アプローチ |
|---|---|
| Subtitle | 特集 集中治療室におけるせん妄 update |
| Authors | 石井潤貴*1, 大下慎一郎*1 |
| Authors (kana) | |
| Organization | *1広島大学大学院医系科学研究科救急集中治療医学 |
| Journal | ICUとCCU |
| Volume | 49 |
| Number | 5 |
| Page | 261-269 |
| Year/Month | 2025 / 5 |
| Article | 報告 |
| Publisher | 医学図書出版 |
| Abstract | 「要約」集中治療室 (ICU) ではせん妄の発症頻度が高く, その予防と治療として抗精神病薬をはじめとする薬物的アプローチが頻用される. 抗精神病薬は定型と非定型に分類される. ハロペリドールなどの定型薬はドパミンD2受容体を遮断する. 一方, 非定型薬は定型抗精神病薬に比べて特定の副作用が生じにくい. 複数の無作為化比較試験ならびに系統レビュー・メタ解析では, 抗精神病薬の使用がせん妄の持続期間を短縮せず, 死亡率やICU滞在期間にも影響を与えないことが示唆されている. このため現在のガイドラインでは, ICU患者に対するせん妄予防・治療の双方において, 一律の薬物的アプローチを推奨していない. デクスメデトミジンの有効性が一部示唆されているが, 頑健なエビデンスは十分ではない. せん妄管理は, 原疾患の治療と非薬物的アプローチを基本とし, 薬物療法は補助的手段として慎重に使用することが肝要である. |
| Practice | 臨床医学:一般 |
| Keywords |
- 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に1,023円(税込) です。


