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アブストラクト

Title ヒト受精胚を対象とするゲノム編集に関する規制の動向
Subtitle 第5土曜特集 ゲノム編集の未来 ゲノム編集の安全性評価と倫理問題, 特許の現状
Authors 加藤和人1, 小門穂2, 濱川菜桜1
Authors (kana)
Organization 1大阪大学大学院医学系研究科医の倫理と公共政策学教室, 2神戸薬科大学社会科学研究室
Journal 医学のあゆみ
Volume 273
Number 9
Page 902-908
Year/Month 2020 / 5
Article 報告
Publisher 医歯薬出版
Abstract 遺伝子を簡便に改変できるゲノム編集は, 生命科学・医学研究の基盤技術として急速に広まり, 疾患の治療をめざす医療応用も進みはじめている. 他方で, 生殖医療の普及により, 生殖を目的として作成されたが使われなくなったヒト受精胚が多数存在する状況がある. こうした状況のなか, ヒト受精胚を対象にゲノム編集をどこまで行ってよいかという課題が生じている. 各国の規制としては, ヒト受精胚へのゲノム編集の基礎研究に関して日本を含むいくつかの国が制度を整備したうえで推進しようとしている. 一方, 臨床応用については, 多くの国で法律や行政指針により現時点では禁止とされている. 日本では臨床応用について指針しかなく, 法律による規制が必要という方向に議論は向かっている. 今後, より具体的な議論が進むと予想されるが, その際には専門家はもちろん, 患者や患者団体なども参加して十分な議論が行われることが重要となる.
Practice 医学総合
Keywords ヒト受精胚, 倫理的課題, 生命倫理専門調査会, 厚生労働省, 法規制
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に1,243円(税込) です。

参考文献

  • 1) 真下知士, 金田安史編著. 医療応用をめざすゲノム編集. 紀伊国屋書店 ; 2018.
  • 2) 加藤和人. Law & Technology 2019 ; 84 : 77-88.
  • 3) 加藤和人・他. 諸外国におけるゲノム編集技術等を用いたヒト胚の取扱いに係わる法制度や最新の動向調査及びあるべき日本の公的規制についての研究. 2019年度厚生労働行政推進調査事業補助金(厚生労働科学特別研究事業)報告書. 2020.
  • 4) 総合科学技術会議. ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方. 2004. (https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu39/siryo5-1-1.pdf)
  • 5) 加藤和人, 川上雅弘. 蛋白質・核酸・酵素 2007 ; 52(9) : 1004-11.
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  • 6) 総合科学技術・イノベーション会議. 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第一次)-生殖補助医療研究を目的とするゲノム編集技術等の利用について. 2018. (https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000208566.pdf)
  • 7) 総合科学技術・イノベーション会議. 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第二次)〜ヒト受精胚へのゲノム編集技術等の利用等について. 2019. (https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n2192_10.pdf
  • 8) 総合科学技術・イノベーション会議 生命倫理専門調査会. ヒト受精胚へのゲノム編集技術を用いる研究について(中間まとめ). 2016. (https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/chukanmatome.pdf)
  • 9) National Academy of Sciences and National Academy of Medicine. Human Genome Editing : Science, Ethics and Governance. National Academies Press ; 2017.
  • 10) Nuffield Council of Bioethics. Genome editing and human reproduction : social and ethical issues. Nuffield Council on Bioethics ; 2018.
  • 11) Organizing Committee for the International Summit on Human Gene Editing, On Human Gene Editing : International Summit Statement. 2015.
  • 12) 厚生労働省. 遺伝子治療等臨床研究に関する指針. 2019. (https://www.mhlw.go.jp/content/000561788.pdf)
  • 13) 日本学術会議 医学・医療領域におけるゲノム編集技術のあり方検討委員会. 我が国の医学・医療領域におけるゲノム編集技術のあり方. 2017. (http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-t251-1.pdf)
  • 14) 日本哲学会理事会・他. ゲノム編集による子どもの誕生についての声明. 2018. (http://philosophy-japan.org/news/2018-12-26/)
  • 15) 厚生労働省. 厚生科学審議会科学技術部会ゲノム編集技術等を用いたヒト受精胚等の臨床利用のあり方に関する専門委員会. 議論の整理. 2020. (https://www.mhlw.go.jp/content/000582921.pdf)
  • 16) 日本学術会議 科学者委員会・ゲノム編集技術に関する分科会. ゲノム編集技術のヒト胚等への臨床応用に対する法規制のあり方について. 2020. (http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t287-1.pdf)