アブストラクト
| Title | 耳介後部に膿瘍を形成した耳輪脚基部先天性耳瘻孔の2例 |
|---|---|
| Subtitle | 症例 |
| Authors | 下寺佐栄子*,**, 鳥谷部荘八*, 三浦孝行*, 小曽根英* |
| Authors (kana) | |
| Organization | *仙台医療センター形成外科・東北ハンドサージャリーセンター, **東北公済病院形成外科 |
| Journal | 形成外科 |
| Volume | 66 |
| Number | 9 |
| Page | 1093-1099 |
| Year/Month | 2023 / 9 |
| Article | 報告 |
| Publisher | 克誠堂出版 |
| Abstract | 「はじめに」 先天性耳瘻孔は, 耳介またはその周辺に見られる小さな瘻孔であり, 比較的よく見られる先天性外耳異常の1つである. 耳輪前縁部に開口部を有するものが最も多く, 次に多いのが耳輪脚基部である. 今回われわれは, 耳輪脚基部の先天性耳瘻孔に感染を来たし, 瘻孔の周囲ではなく耳介後部に膿瘍形成を認めた2症例を経験した. 耳輪脚基部先天性耳瘻孔に感染を来たし, 耳介後部に膿瘍形成することは比較的まれであり, その病態について考察し報告する. 「I 症例」 【症例(1)】28歳, 女性 主訴: 耳介後部からの排膿 既往歴: 自閉症, 知的障害, てんかん 家族歴: 特記すべきことなし 現病歴: 生下時より両側耳輪脚部に先天性耳瘻孔を認めていた. 左は18年前に感染を来たし耳介表面が腫脹したため, 当院耳鼻科にて手術を行った. |
| Practice | 臨床医学:外科系 |
| Keywords | 耳輪脚基部, 先天性耳瘻孔, 耳介後部膿瘍 |
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参考文献
- 1) Congdon ED, et al: Human congenital auricular and juxta-auricular fossae, sinuses and scars (including the so-called aural and auricular fistulae) and bearing of their anatomy upon the theories of their genesis. Am J Anatomy 51: 439-463, 1932
- 2) Skokan W, et al: Diagnosing and treating congenital fistula of the auricle; report of two cases. Laryngoscope 67: 858-883, 1957
- 3) 鬼塚卓彌: 第27章 耳介部形成術. 形成外科手術書: 実際編 改訂第4版, p528, 南江堂, 2007
- 4) 平出文久: 耳輪脚基部の先天性耳瘻孔の摘出法. 耳鼻展望 27: 193-196, 1984
- 5) 福田修ほか編: その他の先天異常. 耳介の形成外科. pp239-257, 克誠堂出版, 東京, 2005
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- 6) Iida M: A Statistical study of fistula auris congenita in Japan. Tokai J Exp Clin Med 22: 133-136, 1997
- 7) 物部寛子: 小児の外耳疾患. ENTONI 242: 1-5, 2020
- 8) 金城伸祐: 耳介の異常. JOHNS 37: 896-899, 2021
- 9) 波多野都: 緊急の・難治の, 忘れたころの「みみ」の感染症. ENTONI 266: 31-38, 2022


