アブストラクト
| Title | 熱中症・脱水に対する輸液療法 |
|---|---|
| Subtitle | 特集 輸液療法の基礎と実践 各疾患・病態における輸液療法 |
| Authors | 三宅康史 |
| Authors (kana) | |
| Organization | 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター, 帝京大学医学部救急医学講座 |
| Journal | 診断と治療 |
| Volume | 109 |
| Number | 3 |
| Page | 325-330 |
| Year/Month | 2021 / 3 |
| Article | 報告 |
| Publisher | 診断と治療社 |
| Abstract | 「Headline」「1」熱中症は, 暑熱環境における身体適応の障害によって起こる病態のことである. 「2」重要臓器の高体温と, 脱水と心機能低下による臓器虚血がその本質である. 「3」診断には, 症状と深部体温を基準とした欧米の分類と, わが国独自の搬送基準を重視した日本救急医学会分類がある. 「4」暑熱環境下での体調不良者は熱中症を疑い, 意識障害の有無, 応急処置への反応から現場対応か, 医療機関搬送を判断する. 「5」医療機関では, バイタルサインと臓器障害の有無から入院適応を判断する. 「熱中症の輸液療法と脱水の輸液療法」「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる病態」の総称を熱中症という. 蒸し暑い環境に長くいて, 場合によってはこれに加えてスポーツや肉体労働などによる筋肉運動の継続により体内で熱が過剰に産生され, 結果として重要臓器の温度上昇と血流低下(虚血)を招き, 体調不良が生じる. |
| Practice | 医学総合 |
| Keywords | 臓器虚血, 高体温, 労作性熱中症, 古典的(労作性)熱中症, 重症度分類 |
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参考文献
- 1) 日本救急医学会熱中症に関する委員会: 熱中症診療ガイドライン2015 [http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf]
- 2) 三宅康史: 熱中症. 腎と透析 88(増刊): 453-458, 2020
- 3) 立澤直子: 重症脱水時, 特に重症熱中症時の輸液療法. 現場で役立つ病態別輸液管理Q&A. ジェフコーポレーション, 2019
- 4) 三宅康史: 体内の水と電解質の生理学. ERドクター便利帳輸液再確認. ぱ一そん書房, 3-11, 2015
- 5) 環境省環境省熱中症予防情報サイト: 熱中症環境保健マニュアル 2018 [https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual.php]
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- 6) 三宅康史: 高齢者で問題となる病態 熱中症, 低体温症. 老年内科 1: 725-731, 2020
- 7) Soar J, et al.: European Resuscitation Council Guidelines for Resuscitation 2010 Section 8. Cardiac arrest in special circumstances: Electrolyte abnormalities, poisoning, drowning, accidental hypothermia, hyperthermia, asthma, anaphylaxis, cardiac surgery, trauma, pregnancy, electrocution. Resuscitation 81: 1400-1433, 2010
- 8) 神田 潤, 他: 熱中症重症度スコアと予後の関係. ICUとCCU 38: 411-417, 2014
- 9) 三宅康史, 他: 熱中症の実態調査 -Heatstroke STUDY 2006最終報告-. 日本救急医学会雑誌 19: 309-321, 2008
- 10) 神田 潤, 他: 熱中症の血中ナトリウム濃度と熱中症重症度について. 日本救急医学会関東地方会雑誌 31: 132-133, 2010
