アブストラクト
Title | (1) メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬 |
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Subtitle | 特集 睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋 睡眠薬を選ぶ・使うに役立つ「これだけ!」DI (drug information) |
Authors | 別所千枝 |
Authors (kana) | |
Organization | 尾道総合病院 薬剤科長 |
Journal | 薬局 |
Volume | 74 |
Number | 2 |
Page | 208-212 |
Year/Month | 2023 / 2 |
Article | 報告 |
Publisher | 南山堂 |
Abstract | 「メラトニンのはたらき」 メラトニンは脳の松果体から夜間に分泌されるホルモンである. 動物において, 概日リズム, 睡眠, 免疫, 生殖機能など広汎な生体機能に影響を与え, 地球の自転に基づく環境の明暗変化に対し, 体内環境や行動を積極的に変化・同期させる体内時計の機能に関与する. メラトニン受容体は, MT1, MT2, MT3の3つに分類されているが, MT3受容体はメラトニン固有の受容体ではないことが明らかとなっている. ヒトにおいてメラトニンは夜間のみに分泌され, 尿中メラトニン代謝産物が最も高い夜中の時間帯で最も眠気が強い. しかし, ヒトの睡眠にメラトニンは必ずしも必要ではなく, 脳外科手術で松果体の全摘術を行っても, 睡眠・覚醒の障害が起こることはまれであるといわれている. 「■メラトニン受容体作動薬の特徴」 メラトニン受容体作動薬は, MT1受容体への作用により催眠効果を示し, MT2受容体への作用により睡眠リズムを前進化する(睡眠を早い時間帯にずらす)効果があることが知られている. |
Practice | 薬学 |
Keywords |
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参考文献
- 1) 内山 真ほか : 月刊薬事, 56 : 511-516, 2014.
- 2) Tzischinsky O, et al : J Biol Rhythms, 8 : 199-209, 1993.
- 3) Arendt J : J Neuroendocrinol, 15 : 427-431, 2003.
- 4) Turek FW, et al : Sleep Med, 5 : 523-532, 2004.
- 5) Doghramji K : J Clin Sleep Med, 3(Suppl) : S17-S23, 2007.
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- 6) Pandi-Perumal SR, et al. Nat Clin Pract Neurol, 3 : 221-228, 2007.
- 7) 井上真一郎 : 外来・病棟で役立つ! 不眠診療ミニマムエッセンス, pp92-93, 中外医学社, 2021.
- 8) 櫻井 武 : オレキシンupdate, MSD株式会社, 2022.
- 9) 桜井 武 : 蛋白質核酸酵素, 52 : 1840-1848, 2007.
- 10) デエビゴ(R)錠2.5mg, 5mg, 10mg医薬品インタビューフォーム, 2022年5月改訂(第6版).
- 11) 井上真一郎 : 外来・病棟で役立つ! 不眠診療ミニマムエッセンス, 中外医学社, 72-73, 2021.
- 12) ベルソムラ(R)錠10mg, 15mg, 20mg添付文書, 2021年12月改訂(第9版).