アブストラクト
Title | 90 低カリウム血症, 高カリウム血症 血清カリウム濃度と身体所見・症状の関連について |
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Subtitle | 薬語図鑑 基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編 集中治療 |
Authors | 大森智史 |
Authors (kana) | |
Organization | エース薬局 船附店 薬局長 |
Journal | 薬局 |
Volume | 74 |
Number | 4 |
Page | 796-798 |
Year/Month | 2023 / 3 |
Article | 報告 |
Publisher | 南山堂 |
Abstract | カリウム(K)は体内に50〜55mEq/kg程度存在します. 98%以上が細胞内に, 1〜2%が細胞外液中に存在し, 筋肉の収縮・弛緩, 体液のpH調整など, さまざまな役割を担っています. 食事などで取り込まれたKは小腸から吸収され, 血管内(細胞外液)に入ります. 血中のKは, 速やかにNa-Kポンプ(Na+/K+-ATPアーゼ)によりナトリウム(Na)と引き換えに細胞内に取り込まれるため, 血清K濃度は3.5〜5.0mEq/Lの範囲内で平衡が保たれます. 最低必要量は20〜40mEq/日程度とされていますが, K摂取量が多くなるとNa-KポンプによりNaが排泄されるため, 血圧の上昇を抑えると考えられています. 「◎低カリウム血症」 低カリウム血症の多くは無症状ですが, 血清K濃度の低下が重度〔K<3.0mEq/mL, 有害事象共通用語規準(CTCAE)でGrade3〕ならば, 脱力感, 食欲不振, 精神障害などがみられる可能性があり, さらにK濃度が低下すると心室性不整脈を引き起こしやすい致死的リスクの高い状態になります. |
Practice | 薬学 |
Keywords |
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参考文献
- 1) 武藤重明 ほか:日腎会誌, 50(2):84-90, 2008.