Title |
蛋白漏出性胃腸症を合併したIgA血管炎の1例 |
Subtitle |
臨床研究・症例報告 免疫・アレルギー |
Authors |
渡辺恵子※1,2, 北岡寛己※1,2, 中村新太郎※1, 西岡篤史※1, 藤本万友佳※1, 井田紘人※1,2, 増井礼子※1, 熊谷淳之※1 |
Authors (kana) |
|
Organization |
※1 : 焼津市立総合病院 小児科, ※2 : 東京大学医学部附属病院 小児科 |
Journal |
小児科臨床
|
Volume |
77
|
Number |
5
|
Page |
753-757 |
Year/Month |
2024 / |
Article |
報告 |
Publisher |
総合医学社 |
Abstract |
「要旨」IgA血管炎は頻度の高い免疫複合体性血管炎であり, 蛋白漏出性胃腸症 (PLE) を合併することがある. 症例は8歳女児. 食指不振, 嘔気, 微熱で発症し, 第7病日に下腿の紫斑が出現したため, 第8病日に当科に紹介となった. 紫斑, 関節痛, Dダイマー高値よりIgA血管炎と診断した. 入院時の血液検査でAlb 2.8g/dLと低値であり, 第10病日に腹痛も出現した. プレドニゾロンを開始し, 腹痛, 低蛋白血症も改善した. 第17病日の99mTc-DPTAシンチグラフィで腸管への蛋白漏出が確認された. 退院後に便中α-1アンチトリプシン1,620mg/dLと高値が判明し, IgA血管炎によるPLEと診断した. 既報の文献検索では, 尿蛋白が陰性である症例が多く, 診断の一助となると思われた. 本症例では, PLE診断のための検査結果を得るまでに時間を要したが, 臨床症状を見逃さずIgA血管炎を適切に診断し, 治療を開始したことがPLE治療に対しても有効であった. |
Practice |
臨床医学:内科系 |
Keywords |
IgA血管炎, Henoch-Schonlein紫斑病, 蛋白漏出性胃腸症, 急性腹症, 蛋白漏出シンチグラフィ, IgA vasculitis, Henoch-Schonlein purpura, protein-losing gastroenteropathy, acute abdomen |