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Title 人工膝関節全置換術術後の全荷重開始時期が早い場合と遅い場合の理学療法の効果の比較
Subtitle 報告
Authors 林達也*, 室地敏雄*, 益田真吾*, 鈴木雅貴*, 本山満**
Authors (kana)
Organization *広島県厚生農業協同組合連合会吉田総合病院リハビリテーション科, **広島県厚生農業協同組合連合会吉田総合病院整形外科
Journal 理学療法
Volume 40
Number 6
Page 565-572
Year/Month 2023 / 6
Article 報告
Publisher メディカルプレス
Abstract [要旨] クリニカルパスの広がりとともに多くの病院で早期退院が実施されている. 本研究の目的は, 人工膝関節全置換術 (TKA) 後の理学療法プログラムにおいて, 全荷重開始時期に差をつけることで入院期間や身体機能に違いが生じるか検証することである. 対象は, 2017年10月〜2018年6月にTKAを施行し退院した55名 (平均年齢77.2±7.4歳) である. 全荷重を術後2日目より開始したグループをE群 (23名), 13日目より開始したグループをL群 (32名) とした. 調査項目は, 入院期間, 術前と術後1・3・4週の疼痛 (NRS) と関節可動域 (ROM), 術前と術後3・4週のTimed Up and Go Test (TUG) と術側片脚立位保持時間とした. 安静時NRSは, 1週目: E群3.1±2.1, L群1.9±1.7が, 3週目: E群1.9±1.8, L群0.9±1.0となり, L群の方が有意に小さかった (p<0.05). 入院期間は, E群: 34.4±8.8, L群: 34.3±7.9であり有意差はなく, ROM, TUG, 術側片脚立位保持時間でも有意差は認められなかった.また, 4週以降ではすべての項目で両群に有意差は認められなかった. 1・3週の安静時NRSはL群の方が有意に小さかったこと, かつ入院期間に差がなかったことから, 疼痛に着目するとL群の理学療法プログラムの方が有効である可能性が示唆された.
Practice 医療技術
Keywords TKA, 全荷重開始時期の違い, NRS, 高齢者
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に1,360円(税込) です。

参考文献

  • 1) 厚生労働省政策統括官 : 関節症年次推移表. 平成29年患者調査(傷病分類編), 厚生労働省, 2019
  • 2) 本山満・他 : 人工膝関節前のリハビリテーションの意識が在院日数に与える影響. 日クリニカルパス会誌 17(4) : 682, 2015
  • 3) 竹本民樹 : 当院における人工膝関節全置換術クリニカルパスのリハビリの介入における効果の経緯. 日クリニカルパス会誌 13(1) : 50-52, 2011
  • 4) 針生光博・他 : 人工膝関節全置換術後の早期歩行訓練に関する検討. JOSKAS 36(1) : 126-127, 2011
  • 5) 益田真吾・他 : 全荷重開始時期の違いによるTKA術後成績の検討. 日本農村医学会雑誌 66(3) : 298, 2017
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