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アブストラクト

Title 睡眠薬フォーミュラリ / NDBオープンデータベースを利用した睡眠薬の適正使用を目指した取り組み
Subtitle 研究報告 臨床 原著
Authors 加藤豊範, 小暮俊明, 吉田章悟, 酒井美理, 町田裕実子1), 小田高司2)
Authors (kana)
Organization 1)愛生館小林記念病院薬剤科, 2)外科
Journal PROGRESS IN MEDICINE
Volume 40
Number 7
Page 747-754
Year/Month 2020 / 7
Article 原著
Publisher ライフ・サイエンス
Abstract 「要旨」ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRAs)は, その使用量, 使用期間, 多剤併用などが問題となり, 2012年の診療報酬改定以降, 睡眠薬の適正使用が厳格に求められるようになった. 小林記念病院では, 2018年以降, 睡眠薬のフォーミュラリ作成やビッグデータである厚生労働省NDB(National Data Base)オープンデータをもとにしたベンチマークを利用しながら, 睡眠薬の適正使用の推進を行ってきた. その結果, BZRAsの処方量とそのジアゼパム(DAP)換算量は2016年以降, 年々減少した. 一方で, メラトニン受容体作動薬であるラメルテオンやオレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサントの処方量に変化は認められなかった. また, 睡眠薬の適正使用の指標として, 睡眠薬の薬剤費, 院内転倒率および薬剤性せん妄の発症率を評価した結果, 転倒率は, 2016年度の5.01%から2019年度の3.46%へ有意に低下した. さらに薬剤性せん妄の発症率は, 2016年度の7.8%から2019年度の5.2%へ有意に低下した. 睡眠薬の適正使用推進の方法として, 睡眠薬フォーミュラリの作成やビッグデータを用いたベンチマークは有用であることが示峻された. さらに睡眠薬の適正使用に伴い, 院内転倒率の低下や薬剤性せん妄の発症率の減少が認められ, 医療の質の向上につながる可能性が示唆された.
Practice 医学総合
Keywords
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に968円(税込) です。

参考文献

  • 1) Vyas I, Carney MW : Diazepam withdrawal fits. Br Med J 1975 ; 4 : 44.
  • 2) 加藤豊範 : 睡眠導入剤と転倒率の関係性〜再転倒患者に対するエスゾピクロンへの変更の有用性〜. 日本病院薬剤師会雑誌 2018 ; 54 : 749-754.
  • 3) 金井紀仁, 鈴木義人 : 系統的論文調査による回復期患者における尿酸生成抑制薬に関するフォーミュラリの構築. アプライドセラピューティクス 2018 ; 10 : 26-46.
  • 4) 日本睡眠学会診断分類委員会監沢 : 睡眠障害国際分類第3版, ライフ・サイエンス, 東京, 2018.
  • 5) 稲垣 中, 稲田俊也 : 第18回 : 2006年度版向精神薬等価換算. 臨精薬理 2006 ; 9 : 1443-1447.
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