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アブストラクト

Title セフェピム脳症 (抗菌薬関連脳症) - 興奮抑制バランスの破綻による臨床像と脳波異常 -
Subtitle 特集 知っておきたい器質性・症状性・薬剤性
Authors 田宗秀隆*1,2,3, 山本直樹*1
Authors (kana)
Organization *1東京都立多摩総合医療センター精神神経科, *2東京大学大学院医学系研究科神経細胞生物学分野, *3精神医学分野
Journal 臨床精神医学
Volume 48
Number 1
Page 103-110
Year/Month 2019 / 1
Article 報告
Publisher アークメディア
Abstract 「抄録」: 抗菌薬関連脳症は, Type I(けいれん発作・ミオクローヌス主体; ベータラクタム薬)・Type II(精神病症状主体; フルオロキノロン, マクロライド, ST合剤)・Type III(小脳症状主体; メトロニダゾール)に分類され, 経過に個々の特徴がある. われわれは, ベータラクタム薬の一つであるセフェピムがGABAA受容体阻害作用を持つことからセフェピム脳症に興味を持った. セフェピム脳症は, ICUで投与された患者の15%が罹患しているという報告があるが, 多くは見逃されている. メタアナリシスによると全例で意識変容と脳波異常を認めた. われわれは3例の観察から, その特徴的な脳波をTri-HNC(トライハイネック; Triphasic Wave-like Generalized Periodic Discharges with a High Negative Component)と命名しシミュレーションにより再現した. 病態基盤には興奮抑制バランスの破綻が示唆された. 発症過程で「心因性と勘違いされやすい意識障害」, 「疼痛」, 「反復言語」, 「診察拒否/拒薬」などの共通した臨床像を新たに認め, 精神科医が想起する重要性を認識した. 基礎神経科学が急速に進んでいる現在, 改めて精神病理学と薬理学に立ち戻った臨床的観察が求められる.
Practice 臨床医学:内科系
Keywords セフェピム脳症(cefepime-induced encephalopathy; CIE), 抗菌薬関連脳症(Antibiotic-associated encephalopathy; AAE), 神経毒性(neurotoxicity), コンピュータシミュレーション(computer simulation), トランスレーショナルリサーチ(translational research)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に1,573円(税込) です。

参考文献

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