アブストラクト
Title | (19) アナフィラキシーにはアドレナリンとステロイド |
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Subtitle | 総説 2021年の年間テーマ : 治療ガイドライン批判シリーズ |
Authors | 薬のチェック編集委員会 |
Authors (kana) | |
Organization | |
Journal | 薬のチェック |
Volume | 21 |
Number | 95 |
Page | 52-57 |
Year/Month | 2021 / 5 |
Article | 報告 |
Publisher | 医薬ビジランスセンター |
Abstract | 「まとめ」 ●アナフィラキシーは, 命にかかわる害反応ですが, 適切な治療で救命が可能です. ●死亡に直結する病態は喉頭浮腫による気道閉塞. 皮膚症状もなく窒息し, 呼吸停止することがあります. ●アナフィラキシーと判断したら速やかにアドレナリンを筋注し, ステロイドも速やかに使用しなければなりません. アドレナリンの使用の遅れは致命的です. 特に心停止後の使用はほとんど無効です. ●アドレナリンが効くのはアナフィラキシーの原因であるマスト細胞の脱顆粒をアドレナリンのβ2作用が抑えるからです. ●しかし, アドレナリンは耐性ができて時間単位で効きが悪くなります. その時期にステロイドが効果を増すので, アドレナリンに引き続き, ステロイドを必ず使っておく必要があります. 重症ほど必要です. ●ガイドラインがアドレナリンの重要性を強調しているのは適切です. しかし, β2受容体を介したマスト細胞の安定化よりも, アドレナリンの昇圧作用や気管支拡張作用を重視しているのは間違いです. ●ステロイド剤の位置づけが低すぎます. ステロイドを使用しなければ, 再悪化のリスクが12倍高まります. ●β遮断剤を使用中でもアドレナリンとステロイドで対処が可能です. グルカゴンを使う根拠はありません. ●アナフィラキシーの経験者の割合が急増しています. いつ, だれに起こるかもしれません. 一般の方々も, 適切な治療を受けるためにぜひ, アナフィラキシーの初期症状を心得ておいてください. 結論: アナフィラキシーには直ちにアドレナリン, 引き続きステロイドを使う |
Practice | 薬学 |
Keywords | 喉頭浮腫, 気道閉塞, マスト細胞, 脱顆粒, β2受容体, 耐性, グルカゴン |
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