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アブストラクト

Title 第49題 精神科看護師のコミュニケーションスキルと巻き込まれとの関連性
Subtitle
Authors 中川亮
Authors (kana)
Organization 医療法人杏和会阪南病院
Journal 日本精神科看護学術集会誌
Volume 62
Number 2
Page 245-249
Year/Month 2019 /
Article 報告
Publisher 日本精神科看護協会
Abstract 「Summary」精神科看護において, 看護師はそれぞれの特有の距離をもって患者とコミュニケーションを図っている. 今回, 看護師それぞれがもつコミュニケーションスキルが患者との距離に関係しているのではないかと考え, 精神科看護師のコミュニケーションスキルと患者との距離の関係性について研究を行った. A精神科病院に勤務する管理職を除く看護師・准看護師165名を対象とし, 無記名自記式による質問紙への回答と提出を求めた. 質問紙は, 巻き込まれすぎたかかわりの状態 (over-involvement) を測る尺度として看護師版対患者Over-involvement尺度, 患者との距離をおきすぎる状態 (under-involvement) を測る尺度として看護師版対患者Under-involvement尺度, コミュニケーションスキルを測る尺度としてENDCOREsをそれぞれ用いた. それらに加え, 対象者属性として「性別」「年齢」「精神科勤務年数」「現在勤務している病棟の形態」の質問項目を加えた. 165名に配布し, 136名 (回答率82.4%) からの回答を得た. そのうち無効回答を除いた127名 (有効回答率93.3%) を対象とし, SPSSを用いた検定を行った. それぞれの尺度について, 下位尺度も含めて各尺度得点間について, スピアマンの順位相関分析を行った. また, 対象者属性の項目のうち2群に分かれるものについては, 各尺度の得点に差が見られるのかMann-WhitneyのU検定を行った. 3群以上に分かれるものについては, クラスカル=ウォリス検定を行った. 結果として, コミュニケーション能力, 特に自分の考えや気持ちをうまく表現する「表現力」が高いほうがより患者とより適切な距離を保つことができるといえる. また, 性差による男女の特色や経験年数などの要素によっても, コミュニケーションスキルや患者との巻き込まれに違いが出ることがわかった. 看護師各々が自身のコミュニケーションスキルが患者との距離に影響を及ぼすことを理解し, その上で治療的なかかわりを行えるようにしていかなければならない. なお, 本論文について発表者らに開示すべき利益相反関係にある企業などはない.
Practice 看護学
Keywords コミュニケーションスキル, involvement, 巻き込まれ
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に803円(税込) です。

参考文献

  • 1) 藤本学,大坊郁夫:コミュニケーション・スキルに関する諸因子の階層構造への統合の試み,パーソナリティ研究, 15(3), p347-361, 2007.
  • 2) 本多昌枝,竹越靖子,向谷地生良他:SSTを応用した病棟スタッフのコミュニケーションスキルの改善について,病院・地域精神医学, 41(3), p245-246, 1998.
  • 3) 『精神科看護』編集委員会編:精神科看護, 42(9), 2015.
  • 4) 牧野耕次,比嘉勇人,池崎潤子他:看護師版対患者Over-Involvement尺度の開発と信頼性・妥当性の検討,人間看護学研究, 7, p1-8, 2009.
  • 5) 牧野耕次,比嘉勇人,池崎潤子他:看護師版対患者Under-Involvement尺度の開発と信頼性・妥当性の検討,人間看護学研究, 8, p1-8, 2010.
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  • 6) 藤本学:コミュニケーション・スキルの実践的研究に向けたENDCOREモデルの実証的・概念的検討,パーソナリティ研究, 22(2), p156-167, 2013.