| Abstract |
「Summary」本研究の目的は, 精神療養病棟に勤務する看護師が, 入院が長期化し退院意欲が低下している患者に対し, 意欲が向上するためにどのような支援を行っているかを明らかにすることである. データ収集方法は, 退院意欲が低下している患者の退院支援を行った経験のある看護師5名に対し半構造化面接法を40分程度行った. 得られたデータは逐語録にして, 研究対象者(A〜E)の語り部分を切片化し意味内容が損なわないように注意してコード化し番号をつけた(ID). コード化したものを意味内容の類似性にもとづいて比較し, サブカテゴリ化, カテゴリ化した. 倫理的配慮として, 協力は任意であり, 辞退も可能なことを伝え, 研究の内容, 主旨の説明, 結果の公表についてを文書を用いて行い同意を得た. また, 本研究は水海道厚生病院の倫理委員会で承認を得て実施した. なお, 本研究における発表者らに開示すべき利益相反関係にある企業などはない. なお, 本研究において, 長期入院患者は, 1年以上精神科病院に在院している患者と定義した. 研究結果として, 53コードから11のサブカテゴリ, 3つのカテゴリを抽出した. 『退院後の地域生活に向けたイメージつくり』は, 退院先の情報提供を行い, 退院後の生活について具体化しながら楽しみを見出す支援内容であった. それは, 《グループホームの情報提供を精神保健福祉士ともに行う》《退院先のイメージを具体化する》《入院と退院後の生活の比較》《退院後の楽しみがもてるようにかかわる》の4つのサブカテゴリで生成されている. 『退院先の環境調整』は退院に向けて安心した気持ちがもてるように退院先の職員や患者との人間関係を築いていくために手助けをしながら環境調整を行う支援内容であった. それは, 《退院後のサポート体制を整える》《施設職員との関係構築できるように促す》《退院先に知り合いがいることを伝える》の3つのサブカテゴリで生成されている. また, 『退院の不安を軽減するかかわり』は地域生活に向けてIADLの訓練を行いながら不安を軽減し, 自信につなげていけるような支援内容であった. それは, 《退院への不安の抽出》《自己肯定感を高める声かけをする》《退院に向けてIADLの訓練を行う》《ピアサポートへの参加を促し交流をはかる》の4つのサブカテゴリで生成されている. 長期入院患者の退院意欲が向上するためには, 看護師は患者が退院後の生活に目を向けられるように退院後のイメージを共有し, 具体的なイメージがもてるようにかかわり, サポート体制を整え対処法の獲得に向けて支援を行うことが必要であると考える. また, 患者は入院生活の慣れから, 退院後の生活を送ることへの不安があると考え, 退院についての思いを把握しながら退院イメージがもてるように退院支援を行っていくことが必要である. そして, 退院イメージをもつことで不安や思いが明確となり, 不安に対する対処法を患者と一緒に考えることで前向きに取り組むことつながるのではないかと考える. 今後の課題として, 長期入院患者の退院意欲の向上に向けては退院イメージがもてるように支援を提供していくこと, また, 退院に対する不安の対処法を患者と一緒に考えながら自信につながるように支援を提供していくことが必要である. |