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アブストラクト

Title 節足動物刺咬症
Subtitle 特集 / これで慌てない外傷患者治療マニュアル - 熱傷・凍瘡から動物咬傷まで -
Authors 夏秋優*
Authors (kana) なつあきまさる
Organization *兵庫医科大学皮膚科学, 教授
Journal MB Derma
Volume
Number 329
Page 75-81
Year/Month 2022 / 12
Article 報告
Publisher 全日本病院出版会
Abstract 「Abstract」刺咬によって皮膚症状を生じる代表的な節足動物として, ハチ, アリ, イラガ, サシガメ, ムカデ, クモなどを挙げることができる. 臨床症状は, 刺咬の際に注入される有毒物質による刺激性炎症反応および有毒物質に対するアレルギー反応によって生じる. 後者は即時型反応と遅延型反応に分けられるが, 実際に現れる症状は個々の体質による個人差が大きい. また, 地域によってはマダニ刺症で皮膚科を受診し, 虫体の除去を要する例が多い. 的確な診断には有害節足動物の形態や生態に関する知識が必要である. 治療としては局所冷却やステロイド外用薬で対応できる場合が多いが, ハチ, アリ, ムカデなどの刺咬に伴うアナフィラキシーショックに対してはアドレナリンの投与が必要である. セアカゴケグモ咬症では強い疼痛や神経症状に対する鎮痛, 鎮静の処方が必要である. マダニ刺症ではピンセットなどを用いて虫体を除去するが, 予防的抗菌薬の処方は推奨されない.
Practice 臨床医学:内科系
Keywords 節足動物刺咬症(arthropod stings and bites), アレルギー反応(allergic reaction), アナフィラキシーショック(anaphylactic shock), マダニ刺症(tick bites)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に968円(税込) です。

参考文献

  • 1) 夏秋 優 : Dr. 夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎. 学研メディカル秀潤社, 東京, 2013.
  • 2) 夏秋 優 : 毒虫による刺咬症. 救急医学, 43 : 991-995, 2019.
  • 3) 夏秋 優 : オオハリアリ刺症. J Visual Dermatol, 4 : 586-587, 2005.
  • 4) 木村友之ほか : オオハリアリの虫刺症によるアナフィラキシーの1例. アレルギー, 69 : 683-688, 2020.
  • 5) 夏秋 優 : ヒアリの基本的知識とヒアリ刺症への対応. J Visual Dermatol, 16 : 1108-1109, 2017.
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  • 6) 夏秋 優 : 有毒ガ類による皮膚障害. ペストコントロール, 191 : 54-58, 2020.
  • 7) 原田 晋ほか : ムカデによるアナフィラキシーショック. 皮膚病診療, 23 : 1217-1220, 2001.
  • 8) 池田哲哉ほか : ムカデ咬傷後に生じた全身性蕁麻疹〜アナフィラキシーショックの2症例. 皮膚臨床, 46 : 619-622, 2004.
  • 9) 原田 晋, 吉崎仁胤, 夏秋 優ほか : ムカデアレルギーの3例-ハチアレルギーとの交叉性に関する検討を含めて-. アレルギー, 54 : 1279-1284, 2005.
  • 10) 夏秋 優 : セアカゴケグモ咬症の診断と対応. ファルマシア, 57 : 382-386, 2021.
  • 11) 鈴木一年ほか : ムカデ咬症の痛みは温熱療法で速やかに消失する. 皮膚臨床, 52 : 1182-1183, 2010.
  • 12) 夏秋 優 : ムカデ咬症の対応. 日本医事新報, 4620 : 57-58, 2012.
  • 13) 一般社団法人日本アレルギー学会(監修) : アナフィラキシーガイドライン2022, 一般社団法人日本アレルギー学会, 東京, 2022.
  • 14) 中川 隆 : アナフィラキシーに関する救急医療での現状と対応. 臨床免疫・アレルギー科, 51 : 145-153, 2009.
  • 15) 夏秋 優 : マダニ刺症への対応に関する提言. J Visual Dermatol, 17 : 1064-1070, 2018.