アブストラクト
Title | 肉離れの診かた |
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Subtitle | 特集 : 下肢スポーツ損傷の診かた |
Authors | 奥脇透* |
Authors (kana) | おくわきとおる |
Organization | *国立スポーツ科学センター, 副センター長 |
Journal | MB Orthopaedics |
Volume | 34 |
Number | 2 |
Page | 1-9 |
Year/Month | 2021 / 2 |
Article | 報告 |
Publisher | 全日本病院出版会 |
Abstract | 「Abstract」「肉離れを診る」には, その実態を知り, 診断し, 治療することである. まず肉離れを理解するためには, 3つのポイントがある. 羽状筋, 遠心性収縮, そして筋腱移行部(腱膜)損傷である. 次に肉離れを診断するには, 問診や臨床所見に加えて, 画像診断, 特にMRIが有用となる. 肉離れのMRIは, STIR法とT2*強調画像を用いて, 少なくとも2方向の断面にて撮像し評価する. 肉離れのMRI分類は, 損傷部位によって3型に分け, I型は筋線維部損傷型, II型は腱膜部損傷型, そしてIII型は, 筋腱付着部損傷型である. さらに, それぞれの損傷型における損傷の程度(損傷度)を, 主に横断面で軟部組織損傷の分類に準じて評価する. 1度はわずかな損傷で, 2度は明らかな部分損傷, そして3度は全域にわたる損傷(断裂)である. この分類をもとにして, 治療方針を立てる. III型3度については手術適応についても考慮し, 保存療法を含めて段階的にリハビリテーションを行う. |
Practice | 臨床医学:外科系 |
Keywords | 肉離れ(muscle strain injury), MRI;magnetic resonance imaging, 羽状筋(pennate muscle), 遠心性収縮(eccentric contraction), 腱膜(tendon plate) |
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参考文献
- 1) 奥脇 透 : トップアスリートにおける肉離れの実態. 日本臨床スポーツ医学会誌. 17 : 497-505, 2009.
- 2) 奥脇 透ほか : トップアスリートの肉ばなれ-競技と受傷部位およびMRI分類について. 日本臨床スポーツ医学会誌. 27 : 192-194, 2019.
- 3) 奥脇 透ほか : 大腿二頭筋肉ばなれのMRI分類. 日本臨床スポーツ医学会誌. 27 : 250-257, 2019.
- 4) 奥脇 透ほか : 半膜様筋肉ばなれのMRI分類. 日本整形外科スポーツ医学会雑誌. 40 : 61-67, 2020.
- 5) Sallay PI, et al : Hamstring muscle injuries among water skiers. Am J Sports Med. 24 : 130-136, 1996.