アブストラクト
Title | 5. IgA血管炎 : 小児 |
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Subtitle | 腎疾患の診断と治療 最前線 III 各論2◆全身性疾患に伴う腎障害 (診断と治療) |
Authors | 清水正樹* |
Authors (kana) | |
Organization | *東京科学大学病院小児科 |
Journal | 腎と透析 |
Volume | 97 |
Number | 増刊 |
Page | 181-185 |
Year/Month | 2024 / |
Article | 報告 |
Publisher | 東京医学社 |
Abstract | 「1 はじめに」IgA血管炎(IgA vasculitis: IgAV)は, IgA1優位の免疫複合体が小血管(毛細血管, 小動脈, 小静脈)の血管壁に沈着して炎症を惹起する全身性免疫複合体性小血管炎である. 臨床的には, 下腿を中心とした紫斑を代表とする皮膚症状, 強い疝痛を代表とする腹部症状, 関節炎・関節痛を主症状とし, さらに約30%の症例で腎炎を呈する. 本症の発症は, 年間10万人あたり3〜26.7人で, 4〜6歳をピークとする小児に好発し, 男児に多い. 夏に少なく秋から冬に多い季節性がある. 呼吸器感染症などの先行感染がトリガーとなるほか, 薬剤やアレルギーとの関連も報告されている. 本症の病態には, IgA分子の糖鎖異常が病態に関与し, IgA1分子のヒンジ部に結合するO結合型糖鎖を構成するガラクトースを欠損する糖鎖不全IgA1(galactose deficient IgA1: Gd-IgA1)が増加している. Gd-IgA1は自己凝集能が高く多量体を形成するほか, IgGと結合して免疫複合体を形成し, メサンギウムに沈着すると補体が活性化され, 腎炎病態を惹起すると考えられている. |
Practice | 臨床医学:内科系 |
Keywords | IgA血管炎, 紫斑, 紫斑病性腎炎 |
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