アブストラクト
Title | 腸回転異常症 |
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Subtitle | 特集 境界領域の診療 外科的疾患 |
Authors | 福本弘二*, 三宅啓, 仲谷健吾, 関岡明憲, 野村明芳, 山田進, 金井理沙, 漆原直人 |
Authors (kana) | |
Organization | *静岡県立こども病院小児外科 |
Journal | 小児内科 |
Volume | 51 |
Number | 10 |
Page | 1501-1504 |
Year/Month | 2019 / 10 |
Article | 報告 |
Publisher | 東京医学社 |
Abstract | 「症状, 診断法」 腸回転異常症は, ほかの疾患での開腹手術の際に偶然発見されるものを除いて, なんらかの症状がなければ発見されない. 症候性のものの約90%は乳児期までに発症し, そのうちほとんどは新生児期に発症する. 臨床症状は, 後述する中腸軸捻転合併の有無, Ladd靱帯の圧迫による十二指腸の狭窄の程度によって出現し, 胆汁性嘔吐と腹部膨満を認める. とくに新生児期の中腸軸捻転は, 突然の胆汁性嘔吐で発症する. 新生児の胆汁性嘔吐をみた場合には, 本症を念頭において検査を進める必要がある. 1歳以上では腹痛を訴えるが, 新生児では腹痛は明らかではない. 腸管の壊死が進むと血便がみられ, 腹膜炎が進行すると脱水, ショックに陥る. 新生児では, 哺乳時の空気嚥下のため腹部単純X線写真で腹部全体に腸管ガス像を認めるが, 中腸軸捻転の場合には腹部単純X線で腸管ガスが観察されなくなる. |
Practice | 臨床医学:内科系 |
Keywords |
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参考文献
- 1) 和佐勝史:腸回転異常症.福澤正洋,中村哲郎,窪田昭男(編著):系統小児外科学,改訂第3版,永井書店,大阪, pp509-513, 2013
- 2) 岩川眞由美:腸回転異常症.小児外科ハンドブック-見て診て小児外科,医学書院,東京, pp49-52, 1995
- 3) 有山雄太,萩原佑亮:消化器疾患.小児科 60:712-722, 2019
- 4) 窪田正幸:腸回転異常症に伴う中腸軸捻転-早期診断のknack and pitfalls. 日外会誌 119:629-635, 2018
- 5) 望月響子:腹腔鏡下腸回転異常症手術.小児外科 51:361-365, 2019