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アブストラクト

Title ケトン性低血糖症
Subtitle 小児疾患診療のための病態生理1 V. 代謝栄養性疾患-7
Authors 高橋郁子*
Authors (kana)
Organization *秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系小児科学講座
Journal 小児内科
Volume 52
Number 増刊
Page 747-752
Year/Month 2020 / 11
Article 報告
Publisher 東京医学社
Abstract 「1 基本病因, 発症機序」ケトン性低血糖症は小児の低血糖のなかでは日常診療で遭遇する頻度が高い疾患である. 1歳半から5歳の間に生じることが多く8〜9歳までには自然軽快する. 絶食時には血糖を維持するためにグリコーゲン分解や糖新生が行われるが, この年齢の小児は, 肝のグリコーゲン貯蔵量も糖新生の基質となる筋由来のアラニンも不足しているため朝方までに血糖が維持し難い. とくに夕食を十分摂取できなかった場合などには低血糖が起こりうる. 脳はグルコースを利用してエネルギー活動をしており, 利用できる糖が不足する際には代替エネルギーとしてケトン体を利用する. ケトン体は絶食が長期になると脂肪分解で産生される. 生体にとっては重要な反応であるが, ケトン体が蓄積することでケトーシスに伴う症状も出現することになる. 「2 基本病態」グルコースは生体が迅速に利用できるもっとも重要なエネルギー源である.
Practice 臨床医学:内科系
Keywords
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に1,023円(税込) です。

参考文献

  • 1) Sperling MA : Hypoglycemia. In Kliegman RM, St Geme JW, Blum NJ, et al(eds) : Nelson Textbook of Pediatrics, 21th ed, Elsevier, Philadelphia, pp848-862, 2020
  • 2) 深尾敏幸 : ケトン体代謝異常症 : 特にアセトン血性嘔吐症と鑑別すべきサクシニル-CoA : 3-ケト酸CoAトランスフェラーゼ(SCOT)欠損症を中心に. 日小児会誌 111 : 727-739, 2007
  • 3) Brown ML, Corrado MM, van der Ende RX, et al : Evaluation of glycogen storage disease as a cause of ketotic hypoglycemia in children. J Inherit Metab Dis 38 : 489-493, 2015
  • 4) 笹井英雄, 深尾敏幸 : ケトン性低血糖症, 小児内科 51 : 1010-1015, 2019
  • 5) 早坂 清 : シトリン欠損症の病態について, 山形医学 38 : 51-62, 2020