アブストラクト
| Title | 胃食道逆流 食道裂孔ヘルニア |
|---|---|
| Subtitle | 特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患 各論 |
| Authors | 池田太郎*, 橋本真*, 長崎瑛里*, 細野茂春* |
| Authors (kana) | |
| Organization | *自治医科大学さいたま医療センター周産期科 |
| Journal | 周産期医学 |
| Volume | 53 |
| Number | 11 |
| Page | 1600-1604 |
| Year/Month | 2023 / 11 |
| Article | 報告 |
| Publisher | 東京医学社 |
| Abstract | 「はじめに」食道裂孔ヘルニアは横隔膜ヘルニアの一つで, 胃食道逆流をきたし, さまざまな症状を呈する胃食道逆流症の代表的な疾患の一つである. しかし小児においては胃食道逆流をきたす主因ではなく, 比較的稀な病態と考えられている. 本稿では横隔膜と食道裂孔ヘルニアについて解説し, 成人との比較をしながら小児期の食道裂孔ヘルニアを中心に述べる. 「横隔膜」「1. 発生」横隔膜は胸腔と腹腔とを隔てる大きな腱中心のある薄板状の筋で, 横中隔, 胸(膜)腹膜, 食道の背側間膜, 外側体壁の4つの組織から発生する. 中胚葉性の横中隔は胎生第3週末に発生し, 第4週には心膜腔と腹腔の間に部分的な横隔膜を形成し, 横隔膜の腱中心の原基となる. 横中隔は食道腹側にある間葉(原始縦隔)と癒合し, 胸腹膜とも癒合する. 胸腹膜は食道の背側間膜と横中隔と癒合することで, 胸腔と腹腔との仕切りは完了し, 原始横隔膜が形成される. 食道の背側間膜は横隔膜の正中部を形成し, 横隔膜脚は食道の背側間膜中に広がった筋芽細胞から発生する. |
| Practice | 臨床医学：外科系 |
| Keywords |
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参考文献
- 1) Moore KL, Persaud TVN, Torchia MG(著)/大谷 浩(監訳) : 第8章 体腔, 腸間膜, 横隔膜. ムーア人体発生学(第11版), 医歯薬出版, pp147-154, 2022
- 2) 高松英夫, 福澤正洋(監)/上野 滋, 仁尾正記, 奥山宏臣(編) : 第12章 横隔膜. 標準小児外科学(第7版), 医学書院, pp157-167, 2017
- 3) 安田邦彦, 加藤禎洋, 水津 博 : 食道裂孔ヘルニア. 小児外科 53 : 1258-1262, 2021
- 4) 矢野文章, 小村伸朗, 坪井一人, 他 : 食道裂孔ヘルニア. 外科 78 : 1-8, 2016
- 5) 草野元康, 神津照雄, 河野辰幸, 他 : 日本人の食道裂孔ヘルニアの頻度. Gastroenterol Endosc 47 : 962-973, 2005
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- 6) 池上玲一, 窪田昭男, 奥山宏臣, 他 : 先天性食道裂孔ヘルニア11例の臨床的検討. 日小外会誌 39 : 187-192, 2003
- 7) 安積昌平, 金沢貴保, 中本貴人, 他 : 生来健康な小児にみられた鉄欠乏性貧血を伴う食道裂孔ヘルニアの1例. 小児科臨 72 : 905-908, 2019
- 8) 深堀 優, 石井信二, 橋詰直樹, 他 : 胃食道逆流症 : 食道裂孔ヘルニアを含めて. 小児内科 53 : 274-279, 2021
- 9) 牧本優美, 藤田英寿, 大橋祥子, 他 : 2絨毛膜2羊膜双胎の第2子のみに認められたGalloway-Mowat症候群の1例. 日周産期・新生児会誌 47 : 694-701, 2011
- 10) 柏木秀幸, 小村伸朗, 矢野文章, 他 : 食道良性疾患の治療 食道裂孔ヘルニア. 消外 32 : 1445-1455, 2009
- 11) 高成田祐希, 尾藤祐子, 大片祐一, 他 : 短食道を伴う全胃挙上先天性食道裂孔ヘルニア(III型)に対し, 待機的に腹腔鏡下噴門形成術を行った1例. 日小外会誌 54 : 1140-1144, 2018
