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アブストラクト

Title 腹臥位手術における顔面の体圧と皮膚トラブル発生の関連性について
Subtitle 報告
Authors 松尾佑一1, 鱸岳夫2, 尾上公一2
Authors (kana)
Organization 1社会医療法人 宏潤会 大同病院 診療部NP科, 2麻酔科
Journal 日本手術医学会誌
Volume 42
Number 1
Page 40-43
Year/Month 2021 / 2
Article 報告
Publisher 日本手術医学会
Abstract 「要旨」:全身麻酔下の手術患者は術野確保のため長時間の同一体位や特殊体位により持続的な局所への加圧により褥瘡発生リスクを高くする. 2018年7月より, 腹臥位による脊椎脊髄外科専用の手術台であるアレン アドバンステーブル(R)(以下, アレン)を使用開始したが, 使用開始当初, 手術後に額, 下顎に発赤, 水疱発生の皮膚トラブルが発生したため, 体圧測定による実態調査を開始した. さらに額に対し下顎の体圧が30%以内と設定し, 差がある場合は顔の角度を調節し皮膚トラブル発生の有無を観察した. 同一患者の2ヵ所の体圧差は15.7±15%で調整され, 有意差は認めなかった(T検定, P=0.45). また, BMIと額・下顎体圧はそれぞれ無相関で, BMI高値, 正常範囲, 低値別で体圧値を比較検討したが有意な差は見られなかった. 顔の角度調整により, BMIに関わらず額・下顎の体圧値を調整することが可能であることが示唆された. そして, 今回の体圧測定, 顔の角度調整を実施後, 顔面皮膚トラブルは生じていないことから, 額に対し下顎の体圧が30%以内となるよう調整することが顔面皮膚トラブル発生の適切な予防法の一つであることが考えられた.
Practice 臨床医学:外科系
Keywords 腹臥位, 額・下顎, 体圧
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

  • 1) 須釜淳子, 真田弘美, 中野直美, ほか: 褥瘡ケアにおけるマルチパッド型簡易体圧測定器の信頼性と妥当性の検討. 日本褥瘡学会誌 2000;2:310-315.
  • 2) 池田ゆり: 腹臥位手術における皮膚トラブルの調査について. 日本医療マネジメント学会誌 2016;17:333.
  • 3) 櫻田輝子: 脊椎手術時の顔面固定に伴う皮膚トラブルの要因. 日本手術看護学会誌 2011;7:74-77.
  • 4) 西山純一, 鈴木利保, 田中範佳: チームで作る手術体 合併症をふせぐには 側臥位・腹臥位時に生じる頭部・顔面の諸問題への取り組み. 日本手術医学会誌 2012;33:237-239.
  • 5) 渡辺幹子, 三浦和也, 佐藤裕子, 中田陵: 胸腰椎腹臥位手術における頬部表皮剥離減少に向けた取り組み. 秋田県農村医学会誌 2020;65:11-13.
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  • 6) 大隅由紀子, 菊池朱美: 脊椎後方固定手術における顔面皮膚表皮剥離予防への取り組み. 日本手術医学会誌 2015;11:168.