| Abstract |
「要旨」2019年11月8日, 名古屋国際会議場で開催された第73回国立病院総合医学会において, 患者の意思決定を支える-人生会議(アドバンス・ケア・プランニング:ACP(Advance Care Planning))の基本的な考え方と看護職への期待-と題して, シンポジウムが開催された. 私に課せられた役割は, 第一演者として, ACPの現状と課題を述べ, シンポジウムの基調となる話題を提供することであった. 本稿では, シンポジウムでお話しした5つの視点で, ACPの現状と課題を述べる. 1)ACPの現状として, 患者, 代弁者家族, 医療ケア提供者は, 必ずしも, 自らの意思を表明できる機会を与えられているとはいえない現状がある. われわれ, 医療ケア提供者は, ACPを, プライバシーに配慮しながら, 患者や代弁者家族が自由に語ることができる権利と捉える必要がある. これが課題である. 2)市民や介護サービス利用者や患者が, 必ずしも, ACPに対する準備ができていない現状を踏まえ, サポートツールを用いてその準備性を高めることが課題である. 3)専門職としての医療ケア提供者にとって, 学びの機会も増えている現状であるが, 今後は, 一人でも多くの医療ケア提供者が, 教育プログラムを利用しACPコミュニケーションを身に付けることが課題である. 4)医療ケア提供者側が, まだまだ, ACPを進める上で重要な臨床倫理的アプローチに精通していない現状がある. 倫理を学びこの現状の打破することが課題である. 5)ACPにおけるInformation and Communication Technology(ICT)の利用は進んでいない現状があるため, その普及が課題である. 上記の1)から5)の視点で, ACPの現状と課題について述べた. 本稿が, ACPの現状と課題を知る一助になり, ひいては, ACPをする上での看護師の役割を考えるきっかけになれば幸いである. |
| Keywords |
アドバンス・ケア・プランニング, サポートツール, 教育プログラム, 倫理, advance care planning, support tool, education program, ethics |