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アブストラクト

Title 新生児呼吸管理の進歩
Subtitle 第66回日本新生児成育医学会・学術集会 会長講演
Authors 長谷川久弥
Authors (kana)
Organization 東京女子医科大学附属足立医療センター 新生児科
Journal 日本新生児成育医学会雑誌
Volume 35
Number 1
Page 24-31
Year/Month 2023 / 2
Article 報告
Publisher 日本新生児成育医学会
Abstract 「要旨」 新生児領域においては, 1971年のGregoryらによる新生児呼吸窮迫症候群に対するCPAP (continuous positive airway pressure)療法の報告以来, さまざまな呼吸管理法が報告されてきた. 高頻度振動換気(high frequency oscillation: HFO), 人工肺サーファクタントなど, 新生児領域でいち早く導入され, 独自の進化を遂げてきたものも多い. CPAP療法も新生児領域では, 呼気陽圧をかける通常のCPAP以外に特殊なCPAPジェネレーターを用い, ジェット流を用いることによりCPAPを行う独特な方式をとっているものがある. HFNC (high-flow nasal cannula)は, 新生児領域においても近年急速な広がりをみせている. 通常の換気補助以外に, 上気道疾患に対する効果, 哺乳に対する効果などがみられ, インターフェースの違いによる特徴も検討されてきている. 人工呼吸器も横隔膜電気活動を使用し呼吸補助のタイミングや補助圧の強度をコントロールする神経調節換気(neurally adjusted ventilatory assist: NAVA)などの新しい換気補助方式が広がってきている. 呼吸管理中の合併症対策も, 新生児ではその大きさの制約などから, 十分な呼吸器系の検索が困難であった. 新生児で使用可能な細径ファイバースコープ, 呼吸機能測定装置の開発などにより, 適切な呼吸管理が可能となっただけでなく, 気道病変に対する治療なども行えるようになった. NICUで長期呼吸管理を必要としている児は, 呼吸管理を行ったまま在宅移行する場合も多い. 自分で呼吸苦を訴えることのできない児の在宅呼吸管理のために, インターネットとパルスオキシメータを用いた在宅モニタリングシステムも構築され, より安全な在宅呼吸管理が可能となっている. 新生児の呼吸管理は今後も発展していくものと思われる.
Practice 臨床医学:内科系
Keywords 人工呼吸器, 呼吸機能検査, 気管支鏡検査, 在宅モニタリング
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

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  • 6) 長谷川久弥. 新生児の呼吸機能. 日未熟児新生児会誌 1993;5:41-58.
  • 7) 長谷川久弥. 新生児呼吸機能検査の臨床応用. 東女医大誌 2011;81:165-170.
  • 8) Lesouef PN, England SJ, Bryan AC. Passive respiratory mechanics in newborns and children. Am Rev Respir Dis 1984;129:552-556.
  • 9) 長谷川久弥. 新生児気道病変の管理. 日未熟児新生児会誌 2006;18:29-37.
  • 10) 長谷川久弥編. 新生児呼吸管理ハンドブック. 東京医学社,東京, 2021.