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アブストラクト

Title 免疫チェックポイント阻害薬の副作用対策 〜薬剤師の立場から〜
Subtitle 特集「ここまできたがん免疫療法」
Authors 臼井浩明
Authors (kana)
Organization 杏林大学医学部付属病院薬剤部
Journal 杏林医学会雑誌
Volume 51
Number 3
Page 221-227
Year/Month 2020 / 9
Article 報告
Publisher 杏林医学会
Abstract 「要旨」免疫チェックポイント阻害薬(以下, ICI)による有害事象は免疫関連有害事象(以下, irAE)と言われ, 自己免疫疾患(以下, AID)に類似した炎症性の病態を示し, あらゆる臓器・器官で発生する可能性がある. 代表的なirAEに腸炎, 肝障害, 内分泌障害, 皮膚障害がある. 抗CTLA-4治療では大腸炎や下垂体炎の頻度が高く, 抗PD-1治療では多彩だが間質性肺炎や甲状腺炎の頻度が高く, ICI併用療法ではより頻度が高い. irAEの発症時期は投与開始数か月以内が多いが, 投与終了後に発症することもある. irAEのリスク因子は特定されておらず, AID併存患者で頻度が高くなる報告があるがデータが不足している. irAEのマネジメントには詳細な問診と病歴聴取, 身体所見, 検査所見からirAEを除外診断し, ASCO等のガイドラインから重症度評価し, 各Gradeに沿った対応が推奨される. irAEの重症度がGrade2以上で副腎皮質ホルモンの開始を考慮し, 副腎皮質ホルモン抵抗性の場合は免疫抑制薬の使用を考慮する. 当院の取り組みとして多職種合同勉強会を開催し, 各診療科との連携体制を整え, ICI重篤有害事象対策項目, irAE問診票を作成した. 薬剤師の役割としては医師・看護師と協力し, 安全な診療体制確保のためにマニュアル整備, 医療者への情報提供, 患者・家族へのirAEの指導と有害事象評価, ICI投与可否や併診の提案といった診療支援が重要である.
Practice 臨床医学:一般
Keywords 免疫チェックポイント阻害薬, 免疫関連有害事象 (irAE), チーム医療
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。