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アブストラクト

Title 複数の因子を考慮した持参薬鑑別時間に影響を与える要因の検討
Subtitle 論文 原著論文
Authors 有泉牧人1, 三星知2, 青山大樹1, 小金澤佑太1
Authors (kana)
Organization 1独立行政法人国立病院機構西新潟中央病院薬剤部, 2下越病院薬剤課
Journal 日本病院薬剤師会雑誌
Volume 57
Number 11
Page 1221-1225
Year/Month 2021 / 11
Article 原著
Publisher 日本病院薬剤師会
Abstract 持参薬鑑別は病棟薬剤業務のなかで最も多くの時間を必要とする業務の1つである. そのため, 持参薬鑑別時間に影響する因子を明確化することは, 薬剤師の病棟業務の効率化に寄与する可能性がある. しかし, これらの因子に関して複合的に評価した報告はない. そこで, 本研究では鑑別時に収集した情報を用い, 持参薬鑑別時間に影響を与える複数の因子について検討した. その結果, 1剤当たりの鑑別時間は電子化された薬歴情報がある場合に0.83分の短縮を認めた(p<0.01). また, 重回帰分析の結果, 複数の因子が鑑別時間に関連していた. 特に, 電子カルテシステムを用いることで, 入院歴や外来処方歴がある場合には電子化された薬歴情報を引用可能であり, そのような患者ではほかの因子を考慮しても鑑別時間の短縮効果を認めた. これらのことから, 電子化された薬歴情報を引用可能なシステムの導入は薬剤師業務の負担軽減に最も寄与することが示唆された.
Practice 薬学
Keywords 持参薬鑑別, 病棟業務, 電子化, 重回帰分析, 効率化
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

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