アブストラクト
| Title | 悪性腫瘍の皮膚浸潤に対して亜鉛華単軟膏と白色ワセリンを使用してMohs軟膏による正常組織への有害事象を回避した2症例 |
|---|---|
| Subtitle | 論文 症例報告 |
| Authors | 村上賢次1, 谷本菜実樹1, 入江紘加1, 波々伯部央子2, 山口正秀3, 村田博昭4, 伊藤晃嗣5, 宅和真由美1 |
| Authors (kana) | |
| Organization | 1パナソニック健康保険組合松下記念病院薬剤部, 2看護部, 3乳腺外科, 4整形外科, 5伊藤整形外科 |
| Journal | 日本病院薬剤師会雑誌 |
| Volume | 59 |
| Number | 12 |
| Page | 1343-1347 |
| Year/Month | 2023 / 12 |
| Article | 報告 |
| Publisher | 日本病院薬剤師会 |
| Abstract | 悪性腫瘍による皮膚浸潤は滲出液や出血など患者のquality of life(以下, QOL)を著しく低下させる. このQOL改善にMohs軟膏(以下, MP)が有益であるが, 塗りにくさや正常組織への有害事象などの問題がある. MPの塗りにくさに対しては中西らが報告したMohsガーゼにて改善されている. 今回, MPによる正常組織への有害事象に対し皮膚保護を目的として皮膚浸潤がん患者2名に, 腫瘍周囲に白色ワセリンを塗布した後, 亜鉛華単軟膏で壁を作成して正常組織を保護する方法を試みた. 正常組織へのMPの付着はなく, 潰瘍形成などは認めなかった. また, 自壊部からの出血や滲出液は軽減した. 我々が考案した皮膚保護法はMPによる有害事象を回避することができる新たな方法の1つとなり得る. |
| Practice | 薬学 |
| Keywords | Mohs軟膏, 亜鉛華単軟膏, 皮膚保護, quality of life(QOL) |
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参考文献
- 1) 管野恵美,館 正弘:褥瘡の部位・状態による創傷被覆材の選び方と使い分け, 薬局, 64,106-112 (2013).
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- 3) 松田絹代,田嶋美幸,佐瀬一洋,重野 芳,関 貴善,佐藤邦義,齊藤光江,阿部郁子,奥出有香子:乳がんの皮膚浸潤に対する異臭菌同定と院内製剤の使用経験, 日本病院薬剤師会雑誌, 46,509-512 (2010).
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- 6) 出雲信夫,重山昌人,田口真穂,長嶋大地,長野将大,菊池絵里,橋口宏司,藤澤 順,村田実希郎,磯部隆史,梶原康宏,五十鈴川和人,埴岡伸光,渡邉泰雄,寺町ひとみ:自壊乳がん巨大腫瘍におけるMohs'ペースト止血例と薬理学的作用機序の解明, 医療薬学, 42,246-254 (2016).
- 7) 川俣洋生,湊本康則,林 稔展,吉福孝介,西元謙吾,松崎勉,平山俊一:腫瘍滲出液に対するMohs亜鉛華単軟膏の有用性, 医療薬学, 42,7-13 (2016).
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- 9) 齋藤昌樹,夫 才成,川口拓郎,赤坂 廉,藤 武智,澤木佳弘:外来通院下でMohsペーストを用いてchemosurgeryを行った末期下顎歯肉癌の1例, 日本口腔腫瘍学会誌, 29,147-152 (2017).
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- 12) 武内有城:Mohsペーストが出血・浸出液コントロールに有効であった進行癌皮膚浸潤・転移の2例, 日本臨床外科学会雑誌, 71,1909-1915 (2010).
- 13) 木村尚子,菊池絵里,橋口宏司,青木絢子,金井亮憲,藤澤 順:Mohsペーストで止血し集学的癌治療を継続しえた肺癌皮膚転移の2例, 日本呼吸器学会誌, 8,153-157 (2019).
- 14) 山中敏彰,森本千裕,福田多介彦,岡本英之,家根旦有, 細井裕司:緩和医療におけるChemosurgeryの施行例-転移性皮膚癌に対するMohs'ペーストの使用経験-, 頭頚部癌, 35,322-327 (2009).
