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アブストラクト

Title ポリファーマシー改善への取り組みによる薬剤削減に関する実態調査
Subtitle 論文 原著論文
Authors 上尾正和1, 松本遼太郎1, 平田幸永1, 近藤博紀1, 河崎一久1, 岩崎裕美2, 二階堂邦夫2, 片桐一彦3, 古俵孝明1, 宮澤豪4, 角田恒5
Authors (kana)
Organization 1彦根市立病院薬剤部, 2看護部, 3医事課, 4循環器内科, 5整形外科
Journal 日本病院薬剤師会雑誌
Volume 60
Number 4
Page 408-412
Year/Month 2024 / 4
Article 原著
Publisher 日本病院薬剤師会
Abstract ポリファーマシー改善のための多職種による薬学的介入状況や薬剤費削減効果について調査を行った. 2021年4月〜2022年3月の1年間に入院した患者のうち, 介入対象となる4週間以上の服用歴がある『持参薬が6剤以上の患者』は1,274名であった. 薬学的介入による『薬剤総合評価調整加算』の算定件数は297件, 『薬剤調整加算』の算定件数は103件, 『退院時薬剤情報連携加算』の算定件数は78件であった. また, 薬剤削減件数は800件あり, 特に循環器系治療薬が176件(22.0%)と最も多くみられた. 薬剤費用の削減は1,361,945円であり患者1介入当たりの削減金額は約4,585円であった. ポリファーマシー改善への取り組みには多職種による情報共有や薬剤削除後の経過観察等に相当な労力を必要とするが, 医療安全への貢献だけでなく薬剤費削減についても期待できることから, より積極的な介入が望まれる.
Practice 薬学
Keywords ポリファーマシー, 薬剤総合評価調整加算, 薬剤調整加算, 薬学的介入, 薬剤費削減
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

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  • 2) T Kojima, M Akishita, Y Kameyama, K Yamaguchi, H Yamamoto, M Eto, Y Ouch: High risk of adverse drug reactions in elderly patients taking six or more drugs: analysis of inpatient database, Geriatr Gerontol Int, 12, 761-762 (2012).
  • 3) 小山 光, 草木等之, 稲田節子, 西田克次, 森 敏: 高齢患者の多剤併用療法における薬物相互作用の危険性, 医療薬学, 29, 100-106 (2003).
  • 4) Y Suzuki, M Akishita, H Arai, S Teramoto, S Morimoto, K Toba, Multiple consultations and polypharmacy of patients attending geriatric outpatient units of university hospitals, Geriatr Gerontol Int, 4, 244-247 (2006).
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  • 8) 永江寛子, 萩原大樹, 神村英利: 診療報酬改定を機に実施した病棟薬剤師のポリファーマシー対策とその評価, 日本病院薬剤師会雑誌, 57, 1360-1366 (2021).
  • 9) 田嶋恭典, 新谷智則, 古俵孝明, 矢野良一, 渡辺享平, 塚本 仁, 中村敏明, 後藤伸之: 病棟薬剤師による薬学的介入の評価項目の作成 〜「薬学的患者ケアのためのチェックリスト」の分類を利用して〜, 医療薬学, 44, 410-416 (2018).
  • 10) 渡辺智康, 毎熊隆誉, 難波良平, 山崎 恵, 高取孝一, 廣本 篤, 賀勢泰子, 今井博久, 安藤哲信, 手嶋大輔: 療養病棟における入院9週目以降での薬剤師の介入効果 -病棟薬剤業務における処方提案-, 医療薬学, 42, 551-557 (2016).