Abstract |
「はじめに」骨転移診療ガイドラインの解説で, 骨転移の治療とケア, とのことであるが, ガイドラインの概要については, 本稿最後の部分で触れるにとどめている. 実際に骨転移診療にどのようにかかわるかは, 地域や各施設の特徴, 薬剤師一人ひとりそれぞれの立ち位置から異なると思うので, 本稿で記載したことを踏まえて, 骨転移診療ガイドラインを利用していただければ, 幸いである. ここでは, 骨転移診療で薬剤師に求められること, 骨転移診療の変遷と現状, 骨転移診療ガイドラインについて, の3つの項に分けて述べる. 「骨転移診療で薬剤師に求められること」読者には病院薬剤師が多いと思われるので, 骨転移診療にどのように薬剤師がかかわるべきか, 特に治療とケアに焦点をあてて述べてみたい. 骨転移診療は, がん診療の一部ではあるが, 運動器の障害でもあり, 様々な分野にまたがる病態である. 診療には職種・診療科横断的なアプローチが必要であり, 治療も薬剤でいえば, 様々ながんに対する薬剤, 例えばホルモン剤や分子標的薬, 免疫チェックポイント阻害剤などがあり, 加えて骨修飾薬がある. |