アブストラクト
Title | 市販薬のオーバードーズの理解と薬剤師の役割 |
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Subtitle | 総説 |
Authors | 嶋根卓也 |
Authors (kana) | |
Organization | 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部 |
Journal | 日本病院薬剤師会雑誌 |
Volume | 60 |
Number | 10 |
Page | 1072-1076 |
Year/Month | 2024 / 10 |
Article | 報告 |
Publisher | 日本病院薬剤師会 |
Abstract | 「はじめに」 処方箋がなくても購入できる市販薬(一般用医薬品)は, 多くの国民にとって身近な医薬品である. しかし, 近年, 若者を中心に市販薬の乱用問題が広がっていることが様々な場面で指摘されている. 例えば, 2023年に実施された「薬物使用に関する全国住民調査」によれば, 過去1年以内に鎮咳薬や風邪薬などの市販薬を乱用した経験をもつ国民は, 全国で約65万人に達すると推計されている. 市販薬を乱用したすべての人が医療的な支援の対象となるわけではないが, 医療現場においては, 市販薬の急性中毒による救急搬送や, 依存症の患者が急増している. 精神科医療施設を受診している患者を対象とする全国調査によれば, 市販薬を主たる薬物とする依存症例の割合は, 特に10代において顕著に増加しており, 2022年調査では, 10代の患者の6割以上が市販薬の症例で占められている. こうした指摘を踏まえると, 市販薬のオーバードーズ(過量服薬)を契機とする入院を通じて, 病院薬剤師との接点も増えていると想定される. |
Practice | 薬学 |
Keywords |
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