アブストラクト
Title | 膝蓋骨粉砕骨折 (AO34-C3.2) はpull out法の併用が有用である - 膝蓋骨骨折に対してpull out法で手術加療した9肢の治療成績 - |
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Subtitle | 膝関節周囲 |
Authors | 山口正哉1), 川崎恵吉1), 山崎謙2), 小原周3) |
Authors (kana) | |
Organization | 1)昭和大学横浜市北部病院整形外科, 2)東戸塚記念病院整形外科, 3)横浜新都市脳神経外科病院整形外科 |
Journal | 骨折 |
Volume | 43 |
Number | 2 |
Page | 390-395 |
Year/Month | 2021 / |
Article | 報告 |
Publisher | 日本骨折治療学会 |
Abstract | 「要旨」筆者は膝蓋骨骨折において下極に対して有効な鋼線刺入が難しいと判断した症例にpull out法による手術を行ってきた. 症例は9肢, 男性5肢, 女性4肢で, 平均57.2歳(35〜77歳)であった. 単純下極骨折(AO34-A1)が6肢, 粉砕骨折(AO34-C3.2)が3肢であった. 全例骨癒合し, 最終屈曲平均143°(130〜150°)と良好であった. IS比は0.8〜1.2に収まるものが7肢, 膝蓋骨低位症例が2肢あった. C3.2症例は3肢ともに, 無視できない大きい軟骨面を持つ関節面骨片と膝蓋腱の付着する下極との間に骨折線があるものであった. これに対し関節面を持つ骨片を遠位でまとめようとせず, 関節面を直視しながら近位側に固定していき, pull out法によって伸展機構を再建するという方法をとっており成績は安定している. Pull out法を習熟しておくことは難易度の高い膝蓋骨骨折の手術に際して大きな助けとなる. |
Practice | 臨床医学:外科系 |
Keywords | Patellar fracture (膝蓋骨骨折), Pull out (プルアウト), Internal fixation (内固定) |
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参考文献
- 1) 日高 亮, 飯島準一, 田尻康人ほか. 膝蓋骨骨折手術と膝蓋骨低位との関連性. 東日本整災会誌2014 ; 26 : 15-20.
- 2) 田島康介, 宇田川和彦. 膝蓋骨下極骨折に対する手術テクニック. 整形外科Surg Tech 2017 ; 7(5) : 45-52.
- 3) Veselko M. Inferior patellar pole avulsion frac-tures : osteosynthesis compared with pole resection. J Bone Joint Surg Am 2004 ; 86 : 696-701.
- 4) Bushnell BD, Byram IR, Weinhold PS, et al. The use of suture anchors in repair of the ruptured patellar tendon : a biochemical study. Am J Sports Med 2006 ; 34 : 1492-1499.
- 5) 菅沼 淳, 阿久津政司, 竹内克仁ほか. 膝蓋骨粉砕骨折に対するpatellar buttress plateによる治療法. 骨折 2004 ; 26(2) : 674-678.
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- 6) 藤原裕一郎, 中尾浩志, 土屋淳之ほか. 膝蓋骨骨折に対するポリエチレン糸を併用した内固定の小経験. 骨折 2018 ; 40(3) : 875-879.
- 7) 城下卓也, 本多一宏, 井本光次郎ほか, 若年者の膝蓋骨下極裂離骨折(sleeve fracture)の2例. 整形外科と災害外科 2013 ; 62(3) : 453-456.