アブストラクト
| Title | 上腕骨近位端骨折に対する保存療法の実際 |
|---|---|
| Subtitle | 肩関節周囲・肩甲骨 |
| Authors | 村上浩平, 小川健, 藤田開, 岩渕翔, 江藤文彦 |
| Authors (kana) | |
| Organization | 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター整形外科 / 茨城県厚生連総合病院水戸協同病院整形外科 |
| Journal | 骨折 |
| Volume | 43 |
| Number | 3 |
| Page | 558-563 |
| Year/Month | 2021 / |
| Article | 報告 |
| Publisher | 日本骨折治療学会 |
| Abstract | 「要旨」上腕骨近位端骨折は日常診療においてよく遭遇する疾患である. 今回, 上腕骨近位端骨折に対して保存療法を行った症例についてまとめた. 対象は2010年4月〜2019年3月までに当院で上腕骨近位端骨折と診断され, 保存療法を行った72例(平均年齢69.7歳, 男性:女性=22:50例). 骨折型, 骨癒合までの期間, 頚体角, 骨頭大結節間距離(HHH), 関節可動域を調査した. 骨折型は, Neer分類1-part 41例, 2-part 25例, 3-part 3例, 4-part 1例, 外反嵌入骨折2例であった. 骨癒合は66例で, 平均127.4日で認めた. 6例が偽関節化した. 頚体角・HHHは受傷時と比べ癒合時で低下した. 1-partと2-partを比較すると, 頚体角・HHH・屈曲可動域いずれも2-partで有意に低かった. 頚体角・HHHと屈曲可動域との間には, いずれも有意な相関関係が認められた. 受傷時と比較し癒合時には骨頭骨片は内反変形し, 大結節は上方転位する傾向を, 特に2-part骨折以上で認めた. その変形治癒の結果, 可動域制限が残存する可能性が示唆された. |
| Practice | 臨床医学：外科系 |
| Keywords | Proximal humeral fractures(上腕骨近位端骨折), Conservative therapy(保存療法) |
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参考文献
- 1) Neer, CS II. Displaced proximal humeral frac-tures. Part 1. Classification and evaluation. J Bone Joint Surg 1970 ; 52 : 1077-1089.
- 2) Rangan A, Handoll H, Brealey S, et al. Surgical vs nonsurgical treatment of adults with dis-placed fractures of the proximal humerus : The PROFHER randomized clinical trial. JAMA 2015 ; 313(10) : 1037-1047.
- 3) Kanda Y. Investigation of the freely available easy-to-use software 'EZR' for medical sta-tistics. Bone Marrow Transplant 2013 ; 48 : 452-458.
- 4) 石黒 隆, 橋爪信晴, 中山 学ほか. 上腕骨頚部骨折に対する保存的治療-下垂位での早期運動療法について-. 東日本整災会誌 2000 ; 12 : 52-56.
- 5) Ruedi TP, Moran CG, Buckley RE. 6.2.1上腕骨 : 近位部. 糸満盛憲ほか編. AO法骨折治療. 第2版. 東京 : 医学書院 ; 2010. p. 410-412.
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- 6) 柴田 博, 安倍吉則, 大沼秀治ほか. 成人・高齢者上腕骨近位端骨折の保存的治療成績. 仙台市立病院医誌 2008 ; 28 : 3-7.
- 7) 高瀬勝己. 上腕骨近位端骨折のボーダーライン-保存療法の是非. MB Orthop 2018 ; 31(11) : 29-33.
