Title	高齢者両側ピロン骨折に対するtibiotalocalcaneal nailによる足関節固定術
Subtitle	令和3年度 日本骨折治療学会賞受賞論文 足関節・足部
Authors	鈴木純貴*,*1,*2, 松井健太郎*,*1, 佐々木源*,*1, 渡部欣忍*, 河野博隆*1, 筑田博隆*2
Authors (kana)
Organization	*帝京大学医学部附属病院外傷センター, *1帝京大学整形外科, *2群馬大学整形外科
Journal	骨折
Volume	44
Number	2
Page	456-460
Year/Month	2022 /
Article	報告
Publisher	日本骨折治療学会
Abstract	「要旨」【研究デザイン】症例報告. 【報告の新規性】比較的新しい診断法・治療法. 【背景】ピロン骨折に対するtibiotalocalcaneal nail (TTCN) を用いた一期的な足関節固定術は, 諸外国での報告があるものの本邦では一般的でない. 高齢者両側ピロン骨折に対して一期的なTTCNによる足関節固定術を行い, 術後合併症なく早期にADL回復した症例を報告する. 【臨床経過】81歳, 女性. 4階から地面に墜落受傷. 同日当院に搬送された. 両側ピロン骨折 (両側ともAO分類43C2, 左のみ開放骨折) , 合併損傷として両側仙骨骨折, 両側踵骨骨折, 左上腕骨近位端開放骨折, 左腋窩動脈損傷があった. 併存症は認知症, 受傷前ADLは車椅子で, 移乗に介助を要した. 受傷当日に左腋窩動脈血行再建術, 開放骨折部の洗浄デブリドマンとともに両側足関節創外固定術を行った. 合併損傷に対する手術治療を順次行ったのち, 受傷後11日目に, 両側ピロン骨折に対しTTCNを使用した内固定術 (関節固定術) を行った. 両側とも距腿関節・距骨下関節の関節軟骨切除は行わず, 骨折部への操作や骨移植も行わなかった. 手術時間は両側合計で2時間28分, 両側ともタニケットは使用せず, 出血量は左右合計102mlであった. 術後荷重制限は行わず, 術後3週で術前同等のADLに達した. 術後合併症なく, 術後6週で両側とも単純X線上骨癒合した. 【考察】TTCNによる一期的な関節固定術は足関節, 距骨関節機能を全廃する欠点がある一方, 比較的簡便な低侵襲術式で, 周術期合併症が少なく, 早期荷重できる利点がある. 【結論】ピロン骨折に対するTTCNによる一期的な関節固定術は, 受傷前ADLの低い高齢者で, 最小限の周術期合併症発生リスクで, 早期荷重可能な下肢を再建できる可能性がある.
Practice	臨床医学：外科系
Keywords	Pilon fracture (ピロン骨折), Tibiotalocalcaneal nail (ティビオタロカルカニールネイル), Ankle arthrodesis (足関節固定)

• 全文ダウンロード： 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献