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アブストラクト

Title 上腕骨近位端骨折に対するリバース型人工肩関節の治療経験
Subtitle 〈学術集会発表論文〉 上腕骨
Authors 永井洋輔1)*, 安原良典1)*, 小山あかね1), 伊達優子1), 庄司恭之1), 佐藤秀峰*
Authors (kana)
Organization 1)大阪府済生会千里病院整形外科, *大阪府済生会千里病院四肢骨盤外傷センター
Journal 骨折
Volume 45
Number 2
Page 320-323
Year/Month 2023 /
Article 報告
Publisher 日本骨折治療学会
Abstract 「要旨」【背景】リバース型人工肩関節(以下, RSA)が上腕骨近位端骨折に対して使用されることが増えている. 実施医基準が設けられているが, 厳密な骨接合との適応境界はない. サルベージ手術の確立など課題もあり, 現段階で適応症例の絶対数は多くないと考えられる. 骨接合で十分な肩関節機能が獲得できないと考えられた上腕骨近位部骨折5例に対して一期的にRSAを施行したため, 短期成績を報告する. 【結果】平均年齢79.6歳, 全例が解剖頚骨折を合併し大結節は粉砕していた. 全例で前方アプローチを使用した. 術後半年の時点で, 平均可動域は屈曲135°, 外転120°, 下垂位外旋40°, 内旋L5レベルで, X線評価と関節安定性を除き80点満点としたJOAスコアは平均67.2点, 骨折, 脱臼, 感染などの周術期の合併症はなかった. 【代表症例】81歳, 女性. 左上腕骨近位端骨折. 既往に心房細動, 糖尿病, 高血圧, 数年前に右上腕骨近位部骨折を受傷し, 他院で人工骨頭置換をされている. ADL自立. 非利き手の受傷で内反型. 短頚骨折で内側ヒンジの転位があり, 骨頭の海綿骨は大きく欠損していた. RSA施行し, 結節縫合を追加した. 歩行時のみ三角巾固定として, 術後3日で自宅退院となった. 術後10日目から他動運動を開始し, 術後4週で自動運動を許可した. 術後2か月で自動屈曲95°, 外転60°, 伸展20°, 下垂位外旋25°であったが, 術後3か月では, 自動屈曲120°, 外転100°, 伸展20°, 下垂位外旋50°で右肩の可動域を上回った. 術後半年でJOAスコアは70点であった. 【結論】骨頭壊死や, 腱板機能不全が予想される症例に関してRSAの適応をより明確にすることで, 骨接合よりも良好な短期成績が得られる可能性がある. 今後のまとまった症例の報告が待たれる.
Practice 臨床医学:外科系
Keywords Reverse shoulder arthroplasty(リバース型人工肩関節), Proximal humeral fracture(上腕骨近位端骨折)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

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