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アブストラクト

Title 橈骨遠位端骨折患者における骨折リスクの比較評価
Subtitle 〈学術集会発表論文〉 橈骨遠位端
Authors 矢守哲也*1, 藤巻洋*1*2, 富岡政光*1
Authors (kana)
Organization *1横浜掖済会病院整形外科, *2横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学教室 (整形学科)
Journal 骨折
Volume 45
Number 3
Page 758-760
Year/Month 2023 /
Article 報告
Publisher 日本骨折治療学会
Abstract 「要旨」 【目的】橈骨遠位端骨折(DRF)が「骨脆弱性骨折」として矛盾しないか検討すること. 【研究デザイン】後ろ向き観察研究. 【設定】市中病院1施設. 【対象】DRFと診断され, 骨密度検査および骨粗鬆症(OP)薬物治療介入状況についてのデータが得られた17例(平均年齢71.2歳, 男性4例/女性13例)を症例群, 同時期に骨密度検査を施行した既存骨折のない369例から症例群に対し1:3で年齢, 性別での傾向スコアマッチングにより抽出した51例を対照群. 【要因】Dual-energy X-ray absorptiometry (DXA)法による骨密度検査. 【アウトカム】主要: Fracture Risk Assessment Tool (FRAX)による主要骨折リスク. 副次: 腰椎(L), total hip (TH), femoral neck (FN)でのTスコア, BMI, 2015年版骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでのOP薬物治療適応への合致率, OP薬物治療介入の有無, 血清25OHビタミンD値. 各項目で2群間の差の有無を検討. 【結果】FRAXによる主要骨折リスクは症例群13.4±6.9%, 対照群14.3±10.4%; P=0.11であった. L-Tスコア(症例群-0.62±1.1, 対照群0.49±2.4; P=0.08), TH-Tスコア(症例群-1.39±1.1, 対照群-1.31±1.3; P=0.81), FN-Tスコア(症例群-2.31±1.0, 対照群-2.25±1.0; P=0.84), BMI(症例群22.8±2.5kg/m2, 対照群22.2±3.5kg/m2; P=0.48), DRF受傷前時点でのOP薬物治療適応への合致率(症例群58.8%, 対照37.3%; P=0.16), 評価時のOP薬物治療介入率(症例群23.5%, 対照群31.4%; P=0.76), 25OHビタミンD値(症例群19.2±6.0ng/ml, 対照群19.7±8.2ng/ml; P=0.87)でいずれも有意差を認めなかった. 【結論】本研究では, DRF患者の骨折リスクや骨脆弱性は非骨折患者と差がなく, 橈骨遠位端骨折が「骨脆弱性骨折」として矛盾しないとはいえなかった. 転倒リスクや喫煙・飲酒習慣の有無など他因子との関連も検討する必要があると考えられた.
Practice 臨床医学:外科系
Keywords Osteoporosis (骨粗鬆症), Distal radius fracture (橈骨遠位端骨折), Fracture risk (骨折リスク)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

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