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アブストラクト

Title 肘頭骨折に対するtension band wiring法の教育的効果およびback outの要因調査
Subtitle 学術集会発表論文 肘関節周囲
Authors 小杉健二1), 善家雄吉1), 篠原大地1), 濱田大志1), 岡田祥明1), 酒井昭典2)
Authors (kana)
Organization 1)産業医科大学病院救急・集中治療科 外傷再建センター, 2)産業医科大学整形外科
Journal 骨折
Volume 46
Number 1
Page 33-37
Year/Month 2024 /
Article 報告
Publisher 日本骨折治療学会
Abstract 「要旨」肘頭骨折に対するtension band wiring(以下, TBW)は一般的な治療法である. 我々は過去にSchneiderの評価法に準じてX線学的評価を行い, TBW法を完璧に施行することの難しさとその標準的手技の教育の重要性を報告した. また, 術後Kirschner鋼線(以下, K鋼線)が緩むことがあるが(back out), その要因についての詳細は明らかでない. 本研究の目的は, 肘頭骨折に対するTBW法の臨床成績を過去の報告と比較すること, また, back outの有無で臨床成績を比較し, 緩みの原因について検討することである. 2011年1月〜2022年11月までに肘頭骨折に対しK鋼線によるTBW法を行い, 3か月以上フォローアップ可能であった患者を対象とした. 対象を2016年以前(報告前)と2017年以後(報告後)の2群に分け, X線学的評価および臨床成績を比較した. さらに4mm以上をback outありと定義し, back outあり群となし群に分け, 同様に比較した. 術後X線像におけるTBW手技的不完全因子の数を主要アウトカムとし, 副次評価項目は年齢, 性別, BMI, 関節可動域, 合併症, back out距離, 尺骨皮質骨厚とした. 2群間比較はStudent-t検定およびχ2検定で比較し, 有意水準は0.05とした. 対象は36例(報告前群14例, 報告後群22例)であった. 平均年齢は57.4歳, 男性17例, 女性19例, 骨折型はMayo 分類2Aが33例, 2Bが3例であった. 不完全因子の数に関して, 報告前の症例群は1症例当たり平均2.29個であったのに対し, 報告後は0.64個と有意に少なくなっていた. また, back outあり群はなし群と比較し, 不完全因子の数に関して有意差を認めず, 皮質骨厚は有意に小さかった. Back outをきたす要因として, 標準的手技を遵守するといった技術的側面のみでは防ぐことはできず, 皮質骨厚が関連している可能性が示唆された.
Practice 臨床医学:外科系
Keywords Olecranon fractures(肘頭骨折), Tension band wiring(テンションバンドワイヤリング), Back out(バックアウト), Cortical bone thickness(皮質骨厚)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。