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アブストラクト

Title 小児上腕骨顆上骨折に対して肘関節から刺入する経皮的鋼線刺入固定法
Subtitle 学術集会発表論文 肘関節周囲
Authors 岩田英敏, 関谷勇人, 高田直也, 星野啓介, 伊藤禎芳, 山田崇仁
Authors (kana)
Organization JA愛知厚生連海南病院整形外科
Journal 骨折
Volume 46
Number 1
Page 42-45
Year/Month 2024 /
Article 報告
Publisher 日本骨折治療学会
Abstract 「要旨」【背景】小児上腕骨顆上骨折に対する経皮的鋼線刺入固定術において内側からの鋼線刺入は医原性尺骨神経麻痺が危惧される. 当院では鋼線を外側と肘関節から刺入している. 【目的】当院での鋼線刺入法の治療成績を知ること. 【研究デザイン】ケースシリーズ. 【設定】3次救急病院1施設での後ろ向き研究. 【対象】2013〜22年までに当院で経皮的鋼線刺入固定術を施行した小児上腕骨顆上骨折のうち, 鋼線を外側と肘関節から刺入した症例で, 術後6か月以上経過観察可能であった30例30肢. 【要因】骨折部を整復後に鋼線を外側と肘関節から刺入し固定した.【主要アウトカム】術直後, 抜釘時, 最終観察時X線像にてBaumann angle(BA), carrying angle(CA), tilting angle(TA)を測定し比較した. 最終観察時の肘関節可動域と手術に伴う合併症の有無を調査した. 統計学的手法はFriedman検定を行いp<0.05を有意差ありとした. 【結果】症例の内訳は男児20例, 女児10例, 右10例, 左20例, 受傷時平均年齢7.0歳(1〜12歳), 平均手術待機日数0.7日(0〜3日), 術後平均観察期間15か月(6〜82か月)であった. 骨折型はmodified Gartland分類でtype 2A:6例, type 2B:8例, type 3:16例であった. 術直後, 抜釘時, 最終観察時においてBA, CA, TAに有意な変化はなかった. 全例で骨癒合を認め, 最終観察時に可動域制限は認めなかった. 合併症は感染が3例, 正中神経麻痺が3例あったが, いずれも保存的に後遺症はなく治癒した. 【結論】外側と肘関節から刺入する鋼線固定法は術後に整復位損失や可動域制限を残すことなく, 内側刺入時に危惧される医原性尺骨神経麻痺を回避することができる有用な方法であった.
Practice 臨床医学:外科系
Keywords 小児上腕骨顆上骨折(Pediatric supracondylar humerus fracture), 経皮的鋼線刺入固定(Percutaneous pinning), 尺骨神経麻痺(Ulnar nerve palsy)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献