Title	仰臥位前外側アプローチを用いた人工骨頭置換術 - 早期歩行能力獲得に関連する因子 -
Subtitle	〈学術集会発表論文〉 大腿骨近位部
Authors	小山博史, 畑佳秀, 村上裕樹*, 増田文郎*
Authors (kana)
Organization	十全記念病院整形外科, *浜松医科大学整形外科
Journal	骨折
Volume	46
Number	2
Page	413-415
Year/Month	2024 /
Article	報告
Publisher	日本骨折治療学会
Abstract	「要旨」 【背景】人工股関節全置換術は筋腱温存手術の発展により, ほぼ全例で術後2週間以内に杖歩行以上の歩行が可能になる. 人工骨頭置換術(BHA)においても, 早期に歩行能力が獲得できる印象であるが, 患者背景などが原因でまとまった報告は少ない. 【目的】大腿骨頚部骨折に対し, 筋腱温存が可能な仰臥位前外側アプローチ(ALS)を用いて施行したBHAにおいて, 術後の歩行能力を評価し, 早期歩行能力獲得に関連する因子を明らかにすること. 【研究デザイン】症例集積研究. 【設定】民間病院1施設での後ろ向き研究. 【対象】大腿骨頚部骨折にALS-BHAを施行した78例のうち, 術前に杖歩行以上の歩行が可能であった43例(男性13例, 女性30例, 平均84歳, 観察期間平均18か月). 【方法】術後歩行能力を評価し, 術後2週に見守りなしで杖歩行が可能であった群(P群), 不可能であった群(I群)に群分けした. 【主要アウトカム】年齢, 性別, BMI, 認知症(長谷川式20点以下), 術前・術後最終歩行能力, 手術時間, 出血量, 術後CK増加量, 術前Alb値, 術前PNI (prognostic nutritional index)とし, 有意水準5%で群間比較した. 【結果】術前は独歩26例, 杖歩行17例, 最終歩行能力は独歩23例, 杖歩行15例, 押し車歩行4例, ピックアップ歩行1例, 術後に歩行能力が下がったのは10例(23%)であった. 最終的に杖歩行以上が可能になった症例のうち, P群は19例, I群は19例であった. 両群間で有意差があったのは, 認知症あり(P群: 4例, I群: 12例, p<0.05)のみで, その他の項目に有意差はなかった. 【結論】ALS-BHAにおいても, 術後23%は歩行能力が下がっていた. 術後2週において, 見守りなしで杖歩行が可能な例には, 認知症の有無が関連し, 年齢, 性別, 体型, 手術手技, 術前の栄養状態は関連がなかった.
Practice	臨床医学：外科系
Keywords	Femoral head replacement (人工骨頭置換術), Antero-lateral supine approach (仰臥位前外側侵入), Walking ability (歩行能力)

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参考文献