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アブストラクト

Title 当院における膝蓋骨骨折手術治療と課題
Subtitle <学術集会発表論文> 膝蓋骨
Authors 井村直哉, 渡邊宣之, 山田宏毅, 片岡真弥
Authors (kana)
Organization 公立陶生病院整形外科
Journal 骨折
Volume 46
Number 4
Page 885-889
Year/Month 2024 /
Article 報告
Publisher 日本骨折治療学会
Abstract 「要旨」【目的】膝蓋骨骨折は膝伸展機構の破綻が生じる場合, 観血的整復固定術が行われる. 当院では主にKirschner鋼線(以下, K鋼線)によるtension band wiring法(以下, TBW法)を行うが, 症例に応じてTBW法に鋼線周辺締結, cannulated cancellous screw(以下, CCS)の併用やK鋼線固定・マルチフィラメント縫合を使用したpull-out法の追加, ひまわり法を行っている. 当院で膝蓋骨骨折に対して手術加療を行った症例を後ろ向きに調査し, 治療の問題点について明らかにして文献的考察を踏まえて報告する. 【対象および方法】2018年1月〜2022年9月までに, 当院で膝蓋骨骨折に対して手術加療を行った症例のうち, 3か月以上経過観察可能であった65症例を対象とした. 検討項目は年齢, 性別, 入院期間, 骨折型, 手術方法, 最終観察時の膝関節可動域, 抜釘の有無, 抜釘以外の再手術について調査した. 【結果】症例は男性28例, 女性37例の合計65例で, 平均年齢は63.8歳(18〜91歳), 平均在院日数19.4日(2〜66日), 骨折型はAO分類でC1:34例, C2:23例, C3:8例であった. このうち開放骨折は5例でGustilo分類の2:1例, 3A:4例であった. 手術方法はTBW法単独32例, TBW + 鋼線周辺締結12例, ひまわり法7例, TBW + 鋼線周辺締結 + K鋼線固定5例, TBW + K鋼線固定4例, TBW + pull-out法2例, TBW + CCS 2例, 鋼線周辺締結 + K鋼線固定1例であった. 最終観察時の平均膝関節可動域は屈曲131.0°, 伸展-1.8°であった. 骨癒合は62例(95.4%)で得られた. 抜釘は45例(うち29例で皮膚刺激症状を認めた)で行われた. 再手術は9例(デブリドマン3例, 偽関節手術1例, 再固定5例)であった. 【考察】当院における9例の再手術例のうち, TBW法による初期固定不足に起因するものが4例認められた. 術前の綿密な画像評価と, 術中の適切な主骨片の固定・把持, 後療法における外固定の併用の考慮によってよりよい臨床成績が得られると考えられた.
Practice 臨床医学:外科系
Keywords Patellar fracture(膝蓋骨骨折), Complication(合併症), Tension band wiring(鋼線締結法)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。