アブストラクト
Title | 血液透析患者に対する神経筋電気刺激療法の可能性 |
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Subtitle | 特集I : 次世代に向けて創造する, 運動療法と血液浄化療法の組合せ |
Authors | 松沢良太 |
Authors (kana) | |
Organization | 兵庫医科大学 リハビリテーション学部 |
Journal | 日本血液浄化技術学会雑誌 |
Volume | 32 |
Number | 2 |
Page | 259-263 |
Year/Month | 2025 / 1 |
Article | 報告 |
Publisher | 日本血液浄化技術学会 |
Abstract | 「要旨」透析患者は高齢化の他に, 慢性的な低栄養の遷延, 透析療法に伴うアミノ酸の喪失, 慢性炎症, インスリン抵抗性, 尿毒症, 異化亢進/同化抵抗性, 度重なる入院イベントおよび多疾患併存といった全身状態悪化につながる多くの危険因子に曝されている. これらはフレイルサイクルと呼ばれる悪循環を形成し, その中心にはサルコペニアが位置する. サルコペニアは骨格筋量の減少に加えて筋力低下あるいは身体機能低下によって診断される加齢性疾患であり, 運動療法を中心とした腎臓リハビリテーションは有効な治療手段の一つである. また, 近年では神経筋電気刺激療法が注目されており, 透析患者の筋力や運動耐容能を改善することが明らかにされている. 2022年度の診療報酬改定が追い風となり, 血液透析患者における腎臓リハビリテーションは今日の透析医療におけるルーチンケアになりつつあるが, その中で透析施行中の時間を活用でき, その有効性が示されている神経筋電気刺激療法の実践には大きな可能性が秘められている. 神経筋電気刺激療法は, 特にフレイル・サルコペニアを有する患者に対しては, 積極的に取り入れたい治療法といえる. 本稿では, 透析患者に対する運動療法を中心とした腎臓リハビリテーションの効果について述べたうえで, 神経筋電気刺激療法の実際とその可能性について解説する. |
Practice | 医療技術 |
Keywords | 腎臓リハビリテーション, サルコペニア, フレイル, 運動, 身体活動 |
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