アブストラクト
Title | 認知症ケアチームへの術前介入依頼があった術後せん妄リスクのある症例に関する検討 |
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Subtitle | 実践報告 |
Authors | 長屋千鶴子1], 村瀬智明1], 神戸誠1], 渡邉繭子2], 臼井みずほ1], 犬塚貴1] |
Authors (kana) | |
Organization | 1]岐阜市民病院 認知症疾患医療センター, 2]薬剤部 |
Journal | 日本早期認知症学会誌 |
Volume | 13 |
Number | 1 |
Page | 85-90 |
Year/Month | 2020 / |
Article | 報告 |
Publisher | 日本早期認知症学会 |
Abstract | 「抄録」 目的 : 認知症ケアチームが術前から介入した症例を, 術後せん妄発症の有無と要因について分析し, 今後のせん妄予防ケアに役立てることを目的とした. 対象と方法 : 平成30年度に消化器領域の術前に介入依頼があった7例について, 後ろ向きに検討した. 結果 : 7例(A〜G)の性別は, 男性5例, 女性2例で, 全例75歳以上で平均年齢は85歳であった. 6例は何らかの認知症があり, B氏のみ軽度認知障害(MCI)であった. 術後せん妄を起こしたのはA氏1例のみで, ベンゾジアゼピン受容体作動薬を術前および術後に服用していた. また, 術後疼痛のため手術当日から2日目まで鎮痛薬も使用していた. 考察 : 7例とも高齢で認知症やMCIがあり, せん妄の準備因子はあった. A氏の直接因子は断定できないが, 術後に感染, 脱水, 電解質異常等の記載はなく, ベンゾジアゼピン受容体作動薬の服用が一因として考えられた. 結論 : せん妄予防のためには, 準備因子を把握した上で, 看護師の介入により誘発因子を減らすこと, 直接因子となり得る周術期の不眠・不穏指示薬など, せん妄リスク薬の確認が必要である. |
Practice | 医学総合 |
Keywords | 術後せん妄, 直接因子, せん妄リスク薬, ベンゾジアゼピン受容体作動薬, 認知症ケアチーム |
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参考文献
- 1. 菅原峰子.高齢患者のせん妄への看護介入に関する文献検討.日本老年看護学会.老年看護学 2011;16(1):94-103.
- 2. 東山雄一,田中章景.せん妄を理解する.ナースが知っておく認知症これだけガイド.東京:学研. 2019:39-45.
- 3. 井上真一郎.せん妄対策の予備知識.せん妄診療実践マニュアル.東京:羊土社. 2019:10-20.
- 4. 木村芳子.せん妄アセスメントシートを用いたケアのポイント.エキスパートナース 2017;33(12):58-65.
- 5. 井上真一郎.術後せん妄.せん妄診療実践マニュアル.東京.羊土社. 2019:128-148
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- 6. 厚生労働省ホームページ.健康日本21(アルコール) https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html#A52
- 7. 井上真一郎.ベンゾジアゼピン系薬剤と非ベンゾジアゼピン系薬剤について.せん妄診療実践マニュアル.東京:羊土社. 2019:21.
- 8. 井上真一郎.せん妄に対する予防介入.せん妄診療実践マニュアル.東京.羊土社. 2019:38-87.