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アブストラクト

Title 独居での自宅復帰を目指した終末期脳腫瘍患者の作業療法アプローチ - 本人が希望するポータブルトイレでの排泄自立を目指して -
Subtitle 実践報告
Authors 竹中朋也1), 合歓垣洸一1), 合歓垣紗耶香1), 柴田克之2)
Authors (kana)
Organization 1)医療法人社団和楽仁 芳珠記念病院, 2)金沢大学医薬保健研究域保健学系リハビリテーション科学領域
Journal 石川県作業療法学術雑誌
Volume 30
Number 1
Page 46-50
Year/Month 2021 /
Article 報告
Publisher 石川県作業療法士会
Abstract 要旨: 自宅での排泄自立を希望する, 終末期脳腫瘍の60歳代男性の独居での在宅復帰を支援した. 症例は, 疼痛管理と継続加療によって約一年余りの長期入院生活であったが, 最期に自宅での生活を希望した. 移乗と排泄動作には介助が必要であったため, 家族や看護師は, 転倒予防のためオムツ内での排泄を想定していた. しかし, 作業療法士(以下, OT)は症例のニーズに寄り添い, 環境調整をすれば排泄自立が見込めること, 廃用予防が期待できることから転倒リスクは軽減できると考えた. 移乗動作の安定と排泄方法の獲得を目的に環境調整と安全な移乗方法の提案を行い, 多職種間で情報共有した結果, 看護師からも家族へ排泄自立可能であること説明し, 家族の了承得て排泄自立となった. 今回, OTが症例の希望や自尊心を尊重し, 残存機能を評価した上で補助具, 動作方法の提案を行い, 看護師や家族との情報共有を行ったことで症例の希望が実現したと考える.
Practice 医療技術
Keywords 終末期, 排泄, 退院支援
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

  • 1) 辻哲也. がんリハビリテーション-理学療法士に求められるもの-. 理学療法学 44:137-138,2017.
  • 2) 辻哲也. 緩和ケアのリハビリテーション. がんのリハビリテーションマニュアル 周術期から緩和ケアまで. 辻哲也・編, 第一版, 東京, 医学書院, 2011,pp254-259.
  • 3) 沢田潤. がん患者の終末期における作業療法の実践. 作業療法ジャーナル 51:886-890,2017.
  • 4) 前田文子, 奏洋一, 他. 終末期がん患者に対する排泄環境調整-チーム内で取り組んだ排泄ケアについて-. Palliative Care Research 9:920-923,2014.
  • 5) 黒田未貴, 池田耕二, 他. 回復期リハビリテーション病棟における終末期がん患者の在宅復帰を円滑にする条件-悪性リンパ腫1症例の理学療法経験を通して-. 理学療法学 30:479-482,2015