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アブストラクト

Title 脊髄性筋萎縮症 (SMA) の遺伝子・核酸治療
Subtitle 第31回日本末梢神経学会学術集会 シンポジウム2 「末梢神経疾患と脊椎・脊髄疾患の接点」
Authors 田中章景
Authors (kana)
Organization 横浜市立大学大学院医学研究科神経内科学・脳卒中医学
Journal 末梢神経
Volume 31
Number 2
Page 219-222
Year/Month 2020 /
Article 報告
Publisher 日本末梢神経学会
Abstract 「要旨」脊髄性筋萎縮症(SMA)はSMN1遺伝子の欠失・変異によるSMNタンパク質の不足が原因となる下位運動ニューロン疾患である. 患者ではSMN1遺伝子のパラログであるSMN2遺伝子からSMNタンパク質が作られるが, スプライシング過程の障害により産生量はわずかである. この過程を修復しSMNタンパク質を産生する核酸薬のnusinersenや低分子化合物のrisdiplamが開発されている. 特にnusinersenは実臨床における治療成績が集積されてきている. 罹病期間の長い成人例においても臨床スコアの改善がみられており, SMA診療は大きく変貌した. Risdiplamは経口投与という利点を有し, 2020年にFDAの認可を受けた. また, ウイルスベクターを用いSMNタンパク質を産生させる遺伝子治療として, onasemnogeneが2歳未満の患者に2020年より使用可能となり, 重症例の大幅な予後改善が期待されている. その他, SMNタンパク質に依存しない治療薬の開発も行われている. SMA治療は, 神経変性疾患に対する治療の代表的成功例であり, 今後の難治性疾患の治療開発に大きな影響を与えると考えられる.
Practice 医学総合
Keywords spinal muscular atrophy(脊髄性筋萎縮症), nusinersen(ヌシネルセン), risdiplam(リスジプラム), onasemnogene(オナセムノゲン), myostatin inhibitor(ミオスタチン阻害薬)
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

参考文献

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