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アブストラクト

Title 看護学生が認知症高齢者に抱く困難に関する文献検討
Subtitle 研究ノート
Authors 松井宏樹
Authors (kana)
Organization 滋賀県立大学人間看護学部
Journal 人間看護学研究
Volume
Number 18
Page 41-48
Year/Month 2020 / 3
Article 報告
Publisher 滋賀県立大学
Abstract 「要旨」認知症高齢者数の増加に伴い, 認知症教育の充実は, 喫緊の課題とされている. そこで今回, わが国の看護学生が認知症高齢者に抱いた困難の内容について, 過去の研究で明らかにされていることを整理するために文献検討を行った. 授業を受講した看護学生は, 【認知症高齢者の看護を想像することが難しい】, 【看護学生にとっての事実と認知症高齢者にとっての事実にずれがあることに気づかないために混乱する】, 【多くの看護問題に混乱する】, 【ネガティブな結果を想像し不安になる】という困難を抱いていた. また実習を経験した看護学生は, 【学生にとって意味のわからない言動に困惑する】, 【お互いの意思が通じない】, 【認知症高齢者の意思表示に圧倒される】という困難を抱いていた. これらの結果より, 認知症高齢者の事例について, 学生が看護過程を展開する場合, 学生が認知症高齢者をイメージできるよう, 具体的に患者情報を記載するとともに映像教材等を活用し, 学生のイメージを補う必要性が示唆された. また, 認知症高齢者が「拒否」等の感情を表出した原因について, 学生がアセスメントできるように, 学習支援を行う必要性が示唆された.
Practice 看護学
Keywords 看護学生, 認知症, 困難
  • 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。

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