| Abstract |
「要旨」「目的」 : 本研究は, 東日本大震災における災害急性期に看護師が実践した初期対応の実態および災害教育受講経験の有無による行動の差異を明らかにする. 「方法」 : 2016年12月〜2017年1月に, 岩手, 宮城, 福島の病院に勤務し, 震災時に初期対応を行った看護師を対象に質問紙調査を実施し, 603名の有効回答を得た. 調査項目は, 災害医療対応の原則CSCATTT (指揮命令, 安全確保, 情報伝達, 評価, トリアージ, 治療, 搬送) に基づく実践内容と災害教育受講経験との関連を分析した. 「結果」 : 災害教育受講者は, 指揮命令や安全確保, 情報収集・伝達, 役割遂行といった多岐にわたる行動を有意に多く実践しており, とくに「被害状況の確認」や「患者の安否確認」など基本的行動で統計的な有意差が確認された. 一方, 未受講者は対応が限定的であり, 災害対応の経験や知識の不足が明らかとなった. 「考察」 : 災害教育を受けた看護師は, 災害特有の環境下で迅速かつ適切な初動体制の整備や役割分担を遂行しており, 教育の有無が実践や行動に影響していた. 災害急性期では, 臨機応変な対応が必要であり, 災害教育を継続して行うことにより, 基本的対応能力を向上させる必要性が示唆された. 「結論」 : 災害教育受講者は災害医療対応の原則であるCSCATTTの基本事項に基づいて行動し, 看護師として多岐にわたる役割を果たしていた. |