アブストラクト
Title | 終末期にある患者への意思決定支援 〜 ペプロウの看護理論を活用して 〜 |
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Subtitle | 資料 |
Authors | 平野宥子 |
Authors (kana) | |
Organization | がん・感染症センター都立駒込病院 |
Journal | 東京都看護協会学会誌 |
Volume | 1 |
Number | |
Page | 15-20 |
Year/Month | 2021 / |
Article | 報告 |
Publisher | 東京都看護協会 |
Abstract | 「要旨」【序論】終末期における医療・ケアについて, 本人の意思決定を基本として進めること, 心身の状態に応じて意思は変化しうるため, 繰り返し話し合うこととされている. 患者は看註師と, 自らの思いを繰り返し表出できる関係になることが必要である. 【目的】ペプロウの看護理論を活用し, 終末期にあるがん患者の意思決定支援を実践した一事例について考察する. 【方法】1 研究デザイン : 事例報告 2 対象者 がん専門病院の一般病棟で筆者が受け持ち看護師として関わった終末期にある患者1名 3 期間 : 20XX年9月〜20XX年11月 4 データの収集方法 (1) 対象の患者に関わる以前のカルテ記録を閲覧し, 患者の思いや患者の周りとの関係性に関する記載を抽出する. (2) ペプロウの看護理論を活用し実践した看護について, 診療記録や看護記録をデータとする. 5 データの分析方法 ペプロウの看護理論の4局面に沿い実践した看護を整理し, 患者-看護師の関係の変化と意思決定について考察する. 【結果・結論】初回受け持った入院中は, 目標を共有し達成したことで, 患者が看護師に対してニーズに応える存在として認識し, 新たなニーズが生じた際にも相談できるようになった, 2回目に受け持った入院中には, 初回担当時に形成した関係をもとに, 患者は複雑な感情を抱く場面でも看護師に思いを表出した. 看護師がペプロウの看護理論による患者-看護師関係の4局面を通して6つの役割(未知の人の役割, 代理人の役割, 教育者の役割, 情報提供者の役割, カウンセラーの役割, リーダーシップの役割)を担うことで患者と看護師間に信頼関係が形成された. その結果, 終末期という難局においても患者は意思を表出でき, 看護師は要望に沿うよう調整できた. よって, ペブロウの看護理論の活用は, 終末期における意思決定支援の一助となることが示唆された. |
Practice | 看護学 |
Keywords | ペプロウの看護理論, 終末期, 人生の最終段階, 意思決定支援 |
- 全文ダウンロード: 従量制、基本料金制の方共に770円(税込) です。
参考文献
- Hildegard E. Peplau(1973):人間関係の看護理論, 17-44, 医学書院, 東京都.
- 秋山あけみ, 塩沢健雄(2018):知的障害をもち解離性・転換性症状がある患者とのかかわり 患者-看護師関係において感情表出が見られた言動に焦点をあてて, 日本精神科看護学術集会誌, 61(1), 186-187.
- 城ケ端初子(2016):実践に生かす看護理論, 90-100, サイオ出版, 東京都.
- 金子道子(2001):看護論と看護過程の展開, 254-269, 照林社, 東京都.
- 厚生労働省(2020):人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン, https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000197701.pdf(2020年8月17日).
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- 黒田裕子(2017):ケースを通してやさしく学ぶ看護理論, 59-77, 日総研出版, 東京都.
- 松林萌(2018):手術を受けた四肢不全麻痺がある患者の離床が進まなかった事例を振り返る-ペプロウの人間モデルの活用-, 市立三沢病院医誌, 25(1), 21-24.
- 森京子, 古川智恵(2016):在宅緩和ケアへ移行する終末期がん患者の意思決定を支える看護師の援助, 四日市看護医療大学紀要, 19(1), 23-33